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草原にて。

書き直しやらしてたら遅れました↓

誰得な本編始まります。

草の匂いと風の音が聞こえ、私は目を冷ました。

青い空と白い雲

回りを見渡せば一面に広がる草原。

私はこの場所に覚えがあった。

『南の草原』

F・Oでは最初の町の南側にあることからそう呼ばれていた。

初心者が実戦になれる為のエリアで、出てくる敵はスライムやゴブリン等レベルの低い魔物ばかりだ。

場所は南の草原でほぼ間違いないだろうが、どうして私はここにいるのだろう?

そんな疑問が浮かんできたが、それを越す体の違和感に襲われる。

立てない。しっかりいえば立ち上がれない。

今の状況を簡単に説明するなら赤ちゃんのはいはい……

それより、犬や猫のような伏せをしてるような感じが近いだろうか……

私はおそるおそる自分の手を見てみた。

…………もう、手というより前足と言った方がいいだろう。

肉球がついている。

私は一度自分がログインした時の事を思い出す。

たしかあの時、私は焦って……

うん。間違えた。

F・Oではいくつものキャラを作れる。

私はあのとき、間違えてメインじゃないキャラを選択していた。

そのキャラは次回のアップデートから使用可能になるはずだった『神獣』・『妖獣』の試作品。

いわばお試しキャラだ。

確か妖獣の方の妖狐……だった気がする。

なんでそんなものを持っているかといえば、たまたま妹に頼まれて一緒に応募した抽選にあたってしまったのだ。

とりあえずログイン不可に変わっているからもうメインキャラにはチェンジできないだろう。

F・Oではログアウトしなければキャラチェンジ出来ない。

ひとまず妹と連絡をとろうとメニューを開こうとしたのだが……

一向にメニューは出てこない。

何度も何度もメニューを呼び出すのだが……駄目だ。


「きゅぅぅぅー………(なんでぇー………)」


………言葉もしゃべれなくなっていた。

いったん考えるのを止め、呼吸を整える。

……………よしっ。落ち着いた。

とりあえず町に行こう。

町に行けば何か情報があるはずだ。

そう思いこんだときだった。

がさっ!と音がしたかと思うと、何かが上から降ってきた。

私はそれを避けることもできず被るとその正体に気づいた。


「こんっ?(これは、網?)」


これはヤバい。

なんとか網から逃れようともがいたが、逃げれない。

そうこうしてると、二つの影が現れた。


「珍しい奴がかかってるな!」


「やりましたねアニキ!高く売れるんじゃないですか?」


現れたのはぼろぼろの服に身を包んだ二人組

多分盗賊だろう。

こんな奴らに捕まるなんて不覚………


「こんっ!(はなせっ!)」


私は盗賊達に向かって吠える。


「ん?あんまり反抗するなよ。こいつは魔法がつかえるんだそ。お前なんて一瞬で倒せるんだからな。」


そういって盗賊A(今命名)は手下らしき盗賊Bの方を叩いた。


「任せてくださいよ~アニキ!」


調子にのってるのか盗賊Bは私に杖をちらつかせる。

なんとかこの場を乗り切らなきゃ。

ふと、あることを思い出した。

今私の使う妖狐には『獣人化』という人型に変われるスキルがある。

人型にかわれば勝機があるかも。

私はそれに望みをかけ、心の中で人型になった自分を想像する。

するとどうだろう。

私の体は光に包まれた。


「う、うわっ!?なんだ!?」


「ま、まぶしっ!?」


盗賊二人は突然の事に目を覆う。

その瞬間に私の人型の体は出来上がった。

女性らしい豊満な肢体。

スラッと長く腰まで延びた髪。

そんなのを想像したのだが………。


「あ、アニキ?!魔物が幼児になりましたよ?!」


幼児?!な、なんで?!


「ぶはっ?!生えてない?!」


盗賊Aは鼻血を出し顔を真っ赤にする

はえてな…………えっ?

私は自分の体をみた。


「いやぁぁあああ!!!」


咄嗟に私は体を尻尾で隠した。

胸と股の2箇所。

尻尾は二つしかないらしくとりあえず大事な所だけ隠す。


「これは……売らずに飼おう。存分に楽しもうじゃないか!」


ぐへへ…と気持ち悪い表情でこっちを見る盗賊A

きもいっ!死ね!ロリコンっ!!


「あ、アニキ?まだ十歳位ですよ?た、楽しむって………」


「そのままの意味だ。知ってるかあの未発達な肢体を―――」


明らかに軽蔑の目で見ている盗賊BにAは熱く語っている。

…今のうちだ!

出来る限り音を出さないようにその場を立ち去ろうとしたのだが、


「………はきゃんっ?!」


網に足を取られて思いっきり前のめりに倒れてしまった。

盗賊二人も逃げ出そうとしたのに気づいてしまった。


「逃げられるぞ!拘束しろ!」


「わ、解ったよ!『バインド』!」


盗賊Bが言葉を紡ぐと私の体は自由がきかなくなってしまった。

バインド

魔法使い系の職業が初期で覚える敵の自由を奪う魔法だ。


「さ、ぃあ……くっ!」


言葉もしっかりしゃべれず、体も動かせない。

徐々に近づいてくる盗賊達。

こんなことになるなんて思ってもなかった。


「だれ…かぁ…たすけ…てぇ」


恐怖から体は震え、涙も出てくる。

盗賊Aは私の足を掴むと簡単に持ち上げ、引き寄せた。

バインドのせいで体は隠せず、だらんと手が中に浮いている。


「誰も助けになんかこねぇよ!残念だったなぁ!」


がはははと、笑う盗賊A

ごめんね夢……

きゅっと目を瞑り、私はもう逆らうのを諦めた。


「なにやってるんです~?」


ほんわかとした、場違いな声が私の耳に入ってきた………。



もふもふ主人公さん目指します。

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