灰色姫ーはいしょくきー
これは、童話ですがハッピーエンドではなく、むしろ残酷です。
想像力豊かすぎる人は、平気な人以外ブラウザバックしてください。
それでわ↓
ここは、ロールキレア王国。そこに、忌み嫌われていた少女がいた。
少女は、いつも灰色のフード付マントを被っている為、灰色姫と呼ばれていた。
ある日、前の人が落し物をしたので拾ったのだが、その落し物がみるみるうちに灰色(色素がない状態)
になったのだ。
周りにいた人は「化け物!」と叫ぶ。灰色姫は、フードを深く被り悲しそうにその場を帰って行った。
周りの人は当然、王様に報告をした。王様はその報告を聞き、灰色姫に監視をつけた。
それから、幾日かたった時、灰色姫の誕生日が来た。その日ばかりは王様も大丈夫だろうと思い、兵を下げたのだが…
翌日、灰色姫の親と思われる砂と、その砂を抱いている灰色姫が監視によって発見された。
その報告を聞いた王様は、灰色姫をここにつれてきて、魔女にみせることにした。
王様は、魔女に灰色姫がどんな能力があるのかを調べさせて、他の国に売るか、兵器に使おうかを定めようとしたのだ。
だが、魔女が灰色姫に触れたとたん、魔女が石化し…灰色姫の親と同じ砂になってしまったのだ。
王様は、灰色姫は危険だと判断し、魔法をかけて森に閉じ込めてしまったのだ。
それから数年たち…少女が女性になったころ…
ある日、王子が魔物退治に出かけた。しかしその途中、魔物に襲われ、命からがら逃げ延びた時は、どこかわからない森に迷いこんでしまっていた。
ここがどこかもわからず、行く当てもなく彷徨っていると、ひとつの家が見えた。
王子は、助かったと思いその扉をたたくが誰もいず、とりあえずベッドを借りようと思ったのだが、そのまま眠ってしまったのだ。
森で食べ物を探していた灰色姫が家に帰ると、ベッドで倒れている人を見つけ大慌て。
ここには誰も来ないので、きっと自分を殺しにきたんだと思っていたが、よくみるとベッドにいる人は呼吸が荒かった。
このままでは死んでしまうと思った灰色姫は、手当てを施し、王子を救ったのだった。
次の朝。王子が目覚めるとそこには誰もいなかった。だが、手当てをした跡があるので、きっとこの家の住人がしてくれたのだろうと思い、お礼を言おうと痛みに耐えながら外に出た。
すると、家の前には森の中に舞い降りた天使の様な女性がいた。
王子は一目みた瞬間、彼女を好きになってしまった。
いっぽう灰色姫は、彼が起きたら怪我の具合を聞こう。そのあと、殺されよう。と、死ぬ覚悟をしていた。
怪我の具合を聞いた後、「殺すならせめて苦しまないように殺してください!」と王子にいったのだが、
彼は ポカン とした後、「何故、恩人を殺さなければいけないのだ」と、とても不思議そうに言った。
その言葉を聞いた灰色姫が、次は ポカン とする番だった。
そして、驚いた灰色姫は、うっかり自分が灰色姫であることをしゃべってしまったのだ。
それを聞いた王子が、自分を助けてくれた人が話しに聞くような人物ではない。と判断し、
きっとなにかあったのだろうとわけを聞いた。
初めて聞いてくれたことが嬉しくて、灰色姫は泣きながら話し始めた。
王子も、泣いたことには驚いたが、それでも口を挟まず、静かに聴いてくれた。
話を聞いた王子は、自分の父親である王様に話をしようと、灰色姫を王城に連れて行こうとしたのだが、
彼女には出たら死んでしまう魔法がかかっていたのだ。
灰色姫はそのことを伝え、自分に会ったと知ったら殺されるので、それはいってはだめと言った。
王子は、心配してくれた灰色姫に、必ず王を説得して戻ってくるといい、王城へ戻って行った。
後日、自分の息子である王子の話を聞き、王様は王子を誑かし、自分を逃がそうとは、なんて外道な奴だ。
と思い、王子には魔法を外すと嘘をいい、灰色姫を殺すために森へいったのだ。
そうとも知らない王子は自分の部屋でくつろいでいた。
翌日、王様は「我が殺しに来てやったのだ。感謝しろ、外道め」といい、灰色姫に一太刀を浴びせた。
だが、王様は失念していた。
まさか、王子が灰色姫に会いたいがために城を抜け出していたことを。
そして、王様が言葉を発し、灰色姫を殺したことを。
王子は茂みから飛び出し、灰色姫を抱えた。幸いなことに、灰色姫は生きていた。
だが、もう息絶えそうであった。王様についていた医師を呼んでも、誰も来なず、王子は焦っていた。
彼女は、死んでしまうのではないかと…
すると、灰色姫が口を開いた。
王子は灰色姫が、口を聞けたことに喜んだ。…それが、最後とも知らず…
灰色姫は「私、リアは…あなたを、愛しておりました…」と王子に伝えた。
王子は「ああ、私も、いえ、俺、シュバルツ・ド・ロールキレアも、あなたを、愛しておりました…」
その言葉を聴き終えると、彼女は、眠るように天へと召されて行った…。
そのとき、地面が震えた。「ロールキレア王よ…。我が愛し娘に、なんてことを…」
聞こえてきた声は、神の声だった。
実は、彼女は、神の愛し娘だったのだ。
灰色のマントを羽織っていたのも、周りが不幸にならないように神の力を押さえつけていたのだ。
魔女が砂になったのも、彼女が実は魔物だったから。
そして…両親が砂になったのも、二人が魔物の毒で苦しんでいたから…二人が願ったから、逝かせてあげたのだ。
その事実をしっていた王子は、神に願った。「神よ。我は、あなたの愛し娘…私にとっては愛する者を殺されました。神よ。我に、神の変わりに罰をあたえる力をくださらんか?」
その言葉に神は「よかろう。この国の王子よ。ただし、二度と人間には戻れんぞ」
その言葉に「はい」と王子は答え、光が彼を覆った。次の瞬間…彼は、神の代わりに天罰を与える天使になっていた。
そして、彼は自分の父であった王を殺し、天罰を与えるために飛び去って行った。
その後、彼を、そして、この国がどうなったかを、知る者はいない…
ただひとつだけあるのは、人が重罪を犯したならば、その者は次の日にはいなくなっていることと、灰色が、とても大切な色になった…ということだけだった…
こんにちわ。裏表ユイです。
ずっと書きたいと思っていた短編小説がやっと書けました。
ですが、最後が思い浮かず、考えながら書いていたらいつの間にかバッドエンドに…
もっとハッピーエンドな童話を想像していたのに、できませんでした。
なんど考えてもバッドエンドにたどり着く自分はダメだと思います。
他のお話はほとんどハッピーエンドなので、安心してください。
それでわ。