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第9話:三十トンの錨鎖(アンカーチェーン)無双と、世界を救う黄金の空!

【第9話:三十トンの錨鎖(アンカーチェーン)無双と、世界を救う黄金の空!】



 夕暮れの横浜港の桟橋で、空気そのものが俺の怒りでビリビリと焦げついていた。


 百三十センチの皇帝の巨体で黒い石の床を踏みしめ、背中の三十センチの『真紅の皇帝マント』を潮風にバサバサとはためかせながら、俺は頭上の空に浮かぶ全長二十メートルの『空飛ぶ漆黒の双頭鉄竜(軍用重攻撃ヘリコプター)』を血走った黄色い目で睨み据えていた。


 その鉄竜の腹の中に乗っている男こそ、俺様の愛しき『一万トンの神の秘宝(チョコレート)の船』をしょっぱい海の底へ沈めて魚のエサにすると抜かしやがった極悪人――反乱軍の最高司令官にして、俺の宿敵たる『本物の魔王(黒崎将軍・レベル22)』だった!


 《固有状態【甘党の逆鱗(皇帝バーサーク)】が限界突破で発動中!》

 《【ゴブリン・エンペラー(Lv.68)】の全ステータスが2倍に跳ね上がっています!》

 《現在のステータス ―― 筋力:1,120/敏捷:1,140/耐久:1,120!!》


 俺の小さな緑色の体から噴き上がったどす黒い覇気だけで、足元の石床がクモの巣状にひび割れ、桟橋の周りの海面がザワザワと波立った。


 それと同時に、岸壁の両側の海の中から、全身にカミソリのように鋭い貝殻と錆びた鉄鎖を巻きつけた身長二メートル半の怪物――『五十体の海底変異アンデッド(レベル25)』の群れが水しぶきを上げて一斉に這い上がり、俺たちと浮遊要塞の間を塞ぐようにドシン!と着地した!


「ゴ、ゴブ!!」


 すぐ後ろの白い石の城(国立バイオ研究所)の扉の前で、俺たちの『20トンの秘宝を積んだ十輪荷馬車』を盾にして立つ鞄持ちのハルトが、大人の背丈ほどある『漆黒の超巨大魔導長杖(対物ライフル)』を構えて叫んだ。


「海からレベル25の巨大変異ゾンビが五十体も出てきたぞ! しかもあの攻撃ヘリ、本当に貨物船と研究所にミサイルを撃つ気だ! 研究所の中で特効薬(ワクチン)が完成するまであと少しなんだ、なんとしてもここを守り抜こう!!」


 すると高さ三十メートルの空の上から、鉄竜のラッパを通して、魔王クロサキの冷酷な高笑いが降り注いだ。


『クカカカカッ! 降伏の3秒は過ぎたぞ、赤い前掛けのチビ助とメガネのガキめ! そんなにそのチョコレート船と研究所が大事なら、目の前でまとめて海の藻屑にしてやる! 海底の化け物ども、そいつらを八つ裂きにしろ! 対艦ミサイル4発――発射ァッ!!』


 ――シュゴオオオオオオオッ!! ドォン! ドォン! ドォン! ドォン!!


 空飛ぶ鉄竜の両翼の下から、眩いオレンジ色の炎が炸裂した。


 翼から切り離された長さ三メートルの『四本の巨大な赤黒い火矢(重対艦ミサイル)』が、白い煙の尾を曳きながら海面すれすれを超音速で飛来する!


 そのうちの二本は、俺様の聖なるヨダレから薬を作っている『白い石の城(研究所)』と『20トンの十輪荷馬車』のど真ん中へ。


 そして残る二本は――俺の目の前に停泊している『一万トンの神の秘宝が詰まった黒鉄の浮遊要塞(巨大貨物船)』の船腹へと、まっすぐに突き進んできたのだ!


 さらに地上からは、五十体の『海底変異アンデッド(レベル25)』が地響きを立ててハルトと研究所の扉へと雪崩れ込んできた!


「させるかあああああっ!!」


 ハルトが荷馬車の横から超巨大長杖と爆裂魔石の連射筒を続けざまに放ち、先頭のアンデッドの足を止める。


 だが、空を飛ぶ四本の巨大な火矢は音速の三倍で海の上を駆け抜け、すでに船まであと三十歩の距離に迫っていた!


(てめえ魔王の野郎……本当に俺様の『一万トンの秘宝の船』と『20トンの荷馬車』に火矢をぶち込みやがったなァァァッ!! 一欠片たりとも焦がさせてたまるかボケェ!!)


「ゴブ……グガアアアアアアアアアアアッ!!」


 『敏捷1,140』に達した俺の百三十センチの体は、緑と真紅の閃光となって桟橋から消え去った!


 四本の巨大な火矢が船腹に突き刺さるコンマ一秒前。


 俺は一足飛びで高さ十五メートルある黒鉄の浮遊要塞の船首の甲板へと飛び乗り、そこから海の中へと垂れ下がっている『巨大な黒鉄の鎖(大型貨物船の錨鎖)』を素手の両手でガッと引っ掴んだ!


 それは鎖の輪っか一つが大人の人間の胴体ほどもある、海底に沈んだ巨大な鉄の爪(15トン主錨)と合わせて『重さ三十トン』を超える超重量の鉄の鎖だった!


 俺は愛用の『鉤爪付きの鉄の棍棒』を腰の革帯に差し込むと、甲板の鉄板を両足でベコッと踏み抜いて踏ん張り、『筋力1,120』の神話級の怪力でその三十トンの鎖を一気に空へと引き抜いた!


「ゴブゥゥゥゥゥーーーーーッ!!(海の底から出てこいや、これぞ皇帝様の超極太ムチだあああっ!!)」


 ――ガガガガガガガッ……ザバアアアアアアアアンッ!!


 海面が爆発したかのように割れ、高さ二十メートルの巨大な水柱が噴き上がった!


 まるで小枝で魚を釣り上げるかのように、俺は重さ十五トンの巨大な鉄の錨(いかり)と長さ五十メートルの極太の鎖を海の中から片手で軽々と引きずり出すと、百三十センチの小さな体を甲板の上でコマのように高速回転させ――三十トンの鉄鎖を『巨大な黒鉄のムチ』のように空中で大旋回させたのだ!


 ――ゴオオオオオオオオオオッ!!


 鎖が空気を切り裂く暴風だけで、港の上の低い雲が真っ二つに吹き飛んだ!


 そして、四本の巨大な火矢(対艦ミサイル)が船と研究所の目の前二十メートルまで迫ったその瞬間、俺は五十メートルの錨の鎖を真横に一閃させた!


 ――キィィィィィィンッ!! ドゴォォォォォォォンッ!!


 鎖の先端の巨大な鉄の錨が、超音速で飛んできた四本の火矢を空中でまとめて横っ面から張り飛ばした!


 俺の【黒魔法完全支配】を宿した鎖に弾き返された四本の火矢は、そのまま海の上へとUターンして飛んでいき、沖合に浮かんでいた反乱軍の二隻の黒い鉄船(警備艇)のど真ん中に直撃して、炎と水柱の大爆発を巻き起こした!


(まだ終わりじゃねえぞ、そこに並んでる五十匹の海鮮雑魚ども!!)


 俺は火矢を弾き返した回転の勢いをそのまま利用し、空中で唸りを上げる長さ五十メートルの三十トン鉄鎖を、ハルトへ向かって突撃していた『五十体の海底変異アンデッド(レベル25)』の頭上へと、真上から一気に叩き落とした!


 ――ズドォォォォォォォォォンッ!!


 山が崩れ落ちたかのような凄まじい地響きが横浜港全体を揺らした。


 分厚い貝殻の鎧を誇っていたレベル25の上位アンデッド五十体が、三十トンの黒鉄の鎖の一撃によって、声すら上げられずに桟橋の端から端まで一列にまとめてペシャンコに押し潰され、わずかコンマ五秒で全員が光の粒子となって消滅した!


 《海底変異アンデッド(Lv.25)計50体を一撃で完全討伐しました!!》

 《ロイヤル・ミルクチョコレート契約ボーナス(獲得経験値4倍)が適用されます!》

 《レベルアップ! Lv.68 ➔ Lv.71 ➔ Lv.74 ➔ 『レベル76』に上昇しました!!》


 研究所の扉の前では、ハルトが煙を吐く長杖を構えたまま、ポカンと口を開けて立ち尽くしていた。


(い、一万トンの貨物船の巨大な錨と鎖を素手で海から引き抜いて、ムチみたいに振り回してミサイル四発とレベル25の変異種五十体を一撃で全滅させちゃった……!?)


 ハルトは目のガラス(メガネ)の奥の瞳をキラキラと輝かせ、感動に胸を震わせた。


(しかも、爆発したミサイルの破片が一つも研究所や僕に当たらないように、わざわざ海の方へ弾き返してくれたんだ! 人類の希望である特効薬を守るためなら、船の錨すら武器にしてしまうなんて……なんて気高くて優しい守護精霊(ペット)なんだ、ゴブは!!)


 一方、高さ三十メートルの空に浮かぶ双頭鉄竜の中では、魔王クロサキが血の気の引いた顔で目を剥いていた。


『ば、馬鹿なあああああっ!? 重さ三十トンの貨物船の錨鎖をヌンチャクみたいに振り回して、対艦ミサイル4発を叩き落としただと!? な、なんだあの緑色の悪魔は!! 高度を上げろ、早く逃げながら30ミリ機関砲と残りのロケット弾を全部撃ち込めえええっ!!』


 ――ガガガガガガガガガガガガッ!!


 空飛ぶ鉄竜の顎の下についた三連の回転杖から、俺の頭よりも太い炎が噴き出し、一発で戦車の装甲すら貫く『特大の爆裂黒弾(30ミリ榴弾)』の豪雨が甲板の上の俺へと降り注いだ!


(逃がすかよ魔王め! 俺様の秘宝に手を出した罰として、その鉄竜の羽をむしり取って地面に叩き落としてやるぜ!!)


 俺が錨の鎖を船の柱に巻きつけて膝を曲げたその時、下の桟橋からハルトが力強い声で叫んだ!


「ゴブ、あいつを逃がすわけにはいかない! 僕が銃でヘリの動きを止めるから、僕たちの『友情の力』で一気に決めるんだ!!」


 ――ドゴォォォン! ドゴォォォン!!


 『レベル15』のハルトが下から放った二発の【特大の黒弾】が、空飛ぶ鉄竜の尻尾についていた『小さな回転羽(テールローター)』の根元を正確に撃ち抜き、鉄竜の巨体が空中でグラリと大きく傾いた!


 《契約主『ハルト』の精密射撃により、敵の飛行魔導具の機動力が封じられました!》


「ゴブァァァアアアアアッ!!(ナイス援護だ、俺様の最強の黒魔導師よ!!)」


 ――ドォォォォンッ!!


 俺が甲板の鉄板を踏み抜いて垂直に跳び上がった瞬間、俺の百三十センチの体は緑と赤の砲弾となり、降り注ぐ30ミリ爆裂黒弾の嵐のど真ん中を正面から突き抜けて、高さ四十メートルの空へと一足飛びで舞い上がった!


 ――キンッ! カンッ! ボフンッ! チャリンッ!!


 空中で何十発もの爆裂黒弾が俺の顔面や腹に直撃して火球を上げるが、【小鬼王の極厚皮】と【黒魔法完全支配】の前では、ただの心地よい夜風と変わらない!


 俺は黒煙を突き抜け、空中で傾いた双頭鉄竜の『透明な氷の顔面(防弾コックピットガラス)』のど真ん中に、両足でドォン!と仁王立ちで着地してやった!


 氷の板一枚を隔てたわずか二十センチ先で、魔王クロサキが裏返った悲鳴を上げた。


『ひ、ひぃぃぃぃっ!? 地、地上から四十メートルの空までジャンプしてヘリの窓に乗ってきただと!? ま、待て化け物、食料でも金でも何でもやるから命だけは――!!』


「ゴブッ! グガ、ゴブゴブ!!(てめえの命なんぞ興味ねえよ、ハルトが気絶するからな! だが俺様の秘宝を海に沈めようとした罪として、てめえもあっちの柱で干し肉になっとけ!!)」


 俺は腰から抜いた愛用の『鉤爪付きの鉄の棍棒(バール)』の曲がった先端を、鉄竜の分厚い防弾ガラスの隙間にガツン!とねじ込むと、片手で缶詰の蓋を開けるようにベリィッ!と窓ごと引き剥がした!


 そして左手で魔王クロサキと操縦士の襟首をまとめて引っ掴んで外へ引きずり出すと、右手の鉄の棍棒で無人になった鉄竜の背中を【暴食の痛撃・極】で真下へ殴り飛ばして遠くの空き地へ墜落させ、俺はクロサキたちを小脇に抱えたまま桟橋へとふわりと着地して、戦車兵たちの横に並べて逆さ吊りにしてやった!


 《反乱軍最高司令官『黒崎将軍(Lv.22)』および重攻撃ヘリを完全無力化しました!》

 《ロイヤル・ミルクチョコレート契約ボーナス(獲得経験値4倍)が適用されます!》

 《レベルアップ! Lv.76 ➔ Lv.79 ➔ 『レベル82』に上昇しました!!(基礎ステータスがすべて750を突破!)》

 《共同戦闘により、契約主『ハルト』がレベル15から『レベル18』に上昇しました!》


 俺が逆さ吊りにした魔王の足首の縄をキュッと締めてやった――まさにその瞬間だった。


 ――フゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーッ!!


 俺たちの後ろにそびえ立つ白い石の城(国立バイオ研究所)の屋上から、港全体に澄み切った美しい鐘のようなサイレンの音が鳴り響いた!


 見上げれば、研究所の屋上の巨大な鉄の扉が左右に大きく開いていた。


 そこから何百羽もの『白い鉄の怪鳥(大型散布ドローン)』が一斉に夕空へと飛び立ち、さらに屋上の四本の巨大な煙突から、甘い神の秘宝の香りがする『キラキラと輝く黄金色の霧』が、空高くへ向かって巨大な光の柱のように噴き上がったのだ!


 俺様の【腐肉食 Lv.MAX】の聖なるヨダレから培養・精製された人類救済の秘薬――【広域エアロゾル特効薬(ワクチン)】だった!


 海風に乗ったその黄金色の霧が、横浜港と背後の街並み全体を優しい光のベールのように包み込んでいく。


 すると、俺たちの目の前で信じられない光景が起きた。


 港の外のフェンスの向こうでうめき声を上げていた何百体ものアンデッドたちが、空から降り注ぐ黄金の霧に触れた瞬間――その体から黒い瘴気の煙がシュウウウッと浄化されるように消え去り、血走っていた目から狂気が消えて、その場に眠るように静かに倒れ込んで完全に無害化されたのだ!


 同時に、研究所の屋上のラッパから、白髪の老学者の涙ながらの歓喜の声が横浜港全体に響き渡った!


『――成功だあああああっ!! 小さな皇帝様の抗体から完成したエアロゾル特効薬が、空気中のゾンビウイルスを100パーセント完全に消滅させました!! すでに大型ドローン部隊が日本全国の気流へ特効薬の散布を開始し、さらに世界中の生存者基地へ衛星回線で特効薬の合成データを送信完了しました! 皆さん、悪夢は終わりました! 今日この瞬間、人類はゾンビパンデミックに打ち勝ったのです!!』


「うおおおおおおおおおっ!!」


 研究所の窓という窓から白い衣の学者たちが身を乗り出し、割れんばかりの拍手と歓声が夕暮れの空にこだました。


 ハルトは石の道の上に膝をつき、黄金色の粒子が舞い散る美しい空を見上げて、メガネの奥から大粒の涙をポロポロとこぼしながら俺の小さな緑色の体を力いっぱい抱きしめた!


「やった……やったよ、ゴブ!! 君と僕の『友情の絆』が、日本だけじゃなく、本当に世界中の人たちを救ったんだ!! ありがとうゴブ、君は人類の歴史上一番偉大な、最高の英雄だよ!!」


 俺は泣きじゃくるハルトの頭を「よしよし」と適当に撫でてやりながら、鼻をヒクヒクさせてすぐ目の前の桟橋を見上げていた。


(おう、てめえも後ろからよく撃ったぞ、俺様の優秀な黒魔導師兼鞄持ちよ! だが世界の平和だのなんだのはどうでもいい、白い衣のじいさんどもの仕事が終わったなら、いよいよ俺様が『本当の戦利品』をいただく時間だぜ!!)


 俺がヨダレを拭っていると、研究所から飛び出してきた代表の老学者が、金色の小さな魔導箱(開閉リモコン)を手に俺の前へ駆け寄り、俺の頭の『黄金の王冠』に向かって地面に額をこすりつけた!


「気高き小さな皇帝様、そして若き英雄様! 全人類を代表して心より感謝申し上げます! どうぞお約束通り、世界を救ってくださったお礼として、この巨大貨物船に眠るすべての宝をお受け取りください!!」


 老学者が金色の箱のボタンを押した。


 ――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!


 目の前に停泊する黒鉄の浮遊要塞の甲板で、巨大な四枚の鉄の扉がゆっくりと左右に開け放たれた!


 その瞬間、船底から黄金色の光とともに立ち昇ってきたのは、これまで嗅いだどんな秘宝よりも濃密で神々しい、天上の楽園そのものの香りだった!


 俺が甲板の手すりまで跳び上がって船底を覗き込むと――なんと王城の広場四つ分はある超巨大な船底の隅から隅まで、金色の皮に包まれた『極上ロイヤル・ミルクチョコレートの山』や『香ばしい木の実入りチョコの巨塔』、さらには温かい『最高級生チョコレートのプール』が、文字通り【一万トン】もの巨大な黄金の山脈となって眠っていたのだ!!


「ゴ、ゴブゥゥゥゥゥーーーーーッ♡♡(これだあああああっ!! これこそが【ゴブリン・エンペラー】様にふさわしい、一万トンの神の秘宝の山だぜえええっ!!)」


 俺は黄色い目をハート型に輝かせ、百三十センチの体を丸めて、高さ二十メートルの甲板から一万トンのミルクチョコレートの山脈のど真ん中へと頭から豪快に飛び込んだ!


 ――ザバアアアアアアアンッ!! バリボリッ、モグモグ、ゴクンッ!!


 俺はチョコレートの海の中をモグラのように泳ぎ回りながら、両手と大口をフル稼働させて、世界中の王族のために作られた最高級の神の秘宝を猛烈な勢いで胃袋(魔力炉)へと詰め込みまくった!


 《超高純度の神話級供物を大量摂取!!》

 《人類救済の偉業ボーナスおよび契約ボーナス(獲得経験値4倍)が最大共鳴!!》

 《レベルが限界を超えて急上昇します! Lv.82 ➔ Lv.88 ➔ Lv.94 ➔ ――》


 俺の体内で魔力炉が太陽のように燃え上がり、俺のレベルがこの世の理(ことわり)の頂点である『レベル100』の大台へと手をかけた――まさにその瞬間だった。


 ――ドクンッ!!


 突然、俺の緑色の胸のど真ん中が、焼けるように熱く脈打った。


 それは前世のエルドリアの沼地で、三日間何も食えず腹ペコだった俺が魔王軍の下働きになるのを断った時、黒い鎧を着た『魔王軍の幹部魔族』から黒鉄の短杖で撃ち込まれた、あの胸の古傷の場所だった!


 俺の胸の皮膚の表面に、今まで一度も浮かび上がったことのなかった『黒と黄金が絡み合う古代魔族の紋章』がギラリと浮かび上がり――船の上の空間そのものが、バリバリバリッ!とガラスのように音を立ててひび割れ始めたのだ!


第9話をお読みいただき、ありがとうございます!


重さ30トンの貨物船の錨(アンカー)を素手で引き抜いて対艦ミサイル4発と変異種50体を一掃するゴブの規格外バトル、そしてついに完成した『広域エアロゾル特効薬(ワクチン)』によって世界中のパンデミックが浄化される瞬間、いかがでしたでしょうか?


しかし、一万トンのチョコレート山脈に飛び込んだゴブの胸に、突如として前世のエルドリアで撃ち込まれた『謎の黒い紋章』が浮かび上がり、空間に亀裂が走ります……!


物語は残り【あと4話(最終第13話にて完全完結)】となります!

次回【第10話】では、ついに『レベル100(ゴブリン・ゴッド)』への最終進化、ハルトと結んだペット契約の「まさかの落とし穴」、そして前世でゴブを撃った魔王軍幹部の口から明かされる【衝撃の真実と最高のざまぁ決着】が描かれますので、ぜひ最後までお楽しみください!


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