来るはずだった親友が死んだ14
家に帰ってインスタをスクロールしていた。ほのか、ご飯だよ!隣からお母さんの声がした。軽く返事をした。
「スマホ見てないわよね?早く手伝って」
どうして親は子供がやっていることがわかってしまうのだろう。私の行動がお母さんの証言と的中していた。
「ごめんなさい!行く行く」
そう言って最後だけだから許して、と思いながらスクロールをしたら、来るはずだった転校生とハッシュダグがついていた。それに反応した私はお母さんの言ったことが全て吹き飛んで、その動画の目を見張った。誰かが映っているわけではなく、ただ、文字が流れ来るだけの動画だった。
#来るはずだった転校生
転校生が学校へ向かう途中
事故を起こして亡くなった
本当に事故?
家族は自殺と証言
転校生はいじめられていた?
なぜ自殺をした?
みんなの意見がその手助けになると信じている コメントよろしく→
――学校へ向かう途中⋯⋯
――事故を起こして亡くなった⋯⋯
頭の中で何かが弾けた感じがした。なぎさのことではないか。
だが、その後の文がおかしい。
――転校生は、いじめられていた?
この文だ。なぎさがいじめなんて。他の人のことを言っているのだろうか。私はお母さんに呼ばれていたことを思い出し、その動画を保存してドアをあけた。
久しぶりに近ちゃんと話したい。
「ほのか、最近元気?」
食事中、急にお母さんから話しかけられた。
「元気だけど?」
当たり前のように答えたが、お母さんの顔のシワが中央によっていた。
「だって、最近なにかに取り憑かれているようにみえるよ」
そういった途端、お父さんまで口を開きだした。
「帰ってきたら忙しそうになにかに集中しているじゃないか」
優しい口調で話すお父さんの声に心がえぐられるような気持ちが揺らめいた。
「私は、全然大丈夫だって、心配することないよ」
気持ちを抑え込むように笑顔で言った。
「何かあったら話聞くよ」
子供の話を信用していないのだろうか。突然、箱の蓋が吹き飛ぶような激しい怒りが生じた。
「だから、大丈夫だって言っているじゃん!」
カチャンと皿を止めると音がした。我に返ってごめん、と小さく謝った。
「やらないといけないことがあるんだ。だから、それが終わるまではそっとしててほしい」
そう言うと、お母さんとお父さんは少し困った顔をしていたけど、声を出さず、静かに頷いてくれた。
ごめんなさい。だけど、これは絶対にやらないといけないと思う。本当の真実を見つけるために――。




