来るはずだった転校生が死んだ12
教室のドアに手を掛けると、前より、活気があるように感じた。どうしたんだろうと思い、ドアを開けると、最初に元気な顔でりんが走ってきた。りんに、おはようと言いかけた途端、
「カップル誕生だー!!」
クラスの男子の一人が声をあげた。え!誰々?叶翔とほのかだよ!
私は絶望した。りんに顔を向けると、りんは打ち砕かれた顔になっていた。そこから徐々に弱っていくように唇に力を込めていた。
「信頼してたのに」
それだけゆうと、りんは私と顔を合わせずに逆方向に逃げようとした。
「待ってよりん!」
私はりんの細い腕を強く握った。りんは私の腕を話そうと力をかける。
「ねえ、私の話を聞いて!誤解だよ」
朝からこんな大きな声を立てたくなかったが、今いうざる終えなかった。一体、誰かそんなことを?
だが、りんは動きを止めない。数秒経って、りんは力を抜いた。一瞬安心したかと思うと、りんはまた口を開いた。
「今までのような関係にはなれないけど、応援してるよ、遠くでね」
全ての感情が抜けるように心臓が飛び上がった。どうしてそんなこと言うの?私の力が弱まったのに反応したのか、私の手を解き逆方向に進んでしまった。
何もかもぐちゃぐちゃになった。どうでもいいと思った。だが、親友を男子一人のことで失ったのが、辛くて、辛くて。心が痛いまま、席についた。
「おー!叶翔がきたー!」
「おめでとう!」
「めっちゃ笑顔やん!」
私は叶翔のことを見ることができなかった。うざい。なんで夢が叶ったように笑っているんだろう。どうして、嬉しそうに。
「ほのか」
叶翔の声がした。緊張しているような細い声。
「ごめん、なんか向こうが勘違いしちゃって」
「いいよ、付き合おうよ」
りんが、応援するって言っていた。私が叶翔と付き合ったら悲しむに違いない。その顔を見たいと思う悪意が襲いかかってきた。叶翔の顔を改めてみると、嬉しそうな顔をしていた。
「ごめん、めっちゃニヤけちゃった」
そう言うと、叶翔は男子たちのところに向かった。
また、後悔した。付き合うなんてやっぱり言わなければよかった。後悔があとになって押し避けてきた。こんな自分が嫌いだ。
その後は恥ずかしくて、話せない。話したいけど話せないなど理由のわからないことを言ってきた。なにが恥ずかしいんだ。めんどくさい。
それなのに、夜になるとラインで、今日もかわいい、ほのかと話したかった。目をあわせることができない。そっちから話しかけてほしい。などなど、学校では絶対に言えなさそうな言葉を送ってきた。私には理解ができなかった。あの時の告白の勇気はどこへ行ってしまったんだ。これから私は叶翔の彼女?
「そんなに彼氏の愚痴を言うのに、どうして今も付き合ってるの?」
次回、ほのかが決めた決心とは――!?




