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来るはずだった親友が死んだ10

 りんの部屋に置いてある時計を見ると針は5時を指していた。「もうすぐ時間だよ」私はりんに言った。


「もう、いくか」


 りんは一度大きく背筋を伸ばし、椅子から立ち上がった。それにつられて叶翔、そうすけも立ち上がる。私達はゆっくりと玄関へ向かった。


 外に出ると、外はもうすでに暗く、落ち着いていた。だが、心のどこかにいるモヤモヤは逃げることなくずっと体のどこかで息をしていた。


「ほのか、さっき叶翔と何の話をしていたの?」


 りんが叶翔に聞こえないくらいの声でほのかに向かって言った。

 ほのかは言葉を探した。りんが傷つかない言葉を。


「ごめん、そうすけからもう聞いてた。告白されたんだって?かなとに、付き合うの?」


 りんは笑顔だったが、最後まで言い終わると目に涙が溜まり、赤い目で私を見つめた。言葉に詰まった。自分まで泣きそうになってきた。


「ずっと前に言ったでしょ?りんの味方だって。だから、付き合わないよ」


「うん。そっか」


 りんは下を向き、安心したかのような声で言った。ねえ、気になったんだけど、もし私とかなとが付き合ったらどう思う?んー、どうだろう。ちょっと知りたいなって思って。なるほどね、多分今までのようにはできないかも、ずっと遠くで応援するかもな。なんでそんなこと言うの?わかんない。けど――


「私はほのかのこと信じてるよ」


 りんはそう言い終わると、もう目を合わせることなく私に背を向けた。


 りんが見えなくなるまで、ずっとりんの小さくなった背中を見つめた。親友だった私に好きな人を取られた、そんなふうに思っているのだろうか。


 たったの男の子だけでこんなふうになってしまうなんて、嫌だ。

 

 縮まりそうに痛い心を呼吸でなんとか、耐えようとした。


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