八話 これ出しちゃまずかったか・・・
第八話です。
楽しんでいただけたら幸いです。
街に入ると、そこには、異世界人がかなりいた。人間やエルフ、ドワーフまで。(《鑑定》スキルなかったらわからなかったけどね。)
街に入った俺達は、まずモンスターの素材が売れるところを探した。
「宿屋は?別に宿屋見つけてからでいいんじゃない?」
「・・・はぁ、そもそも宿屋に入るときは金持ってないと門前払いされるのがオチだろ」
「あ、確かに・・・」
ちなみに、文字や言葉は普通に理解できた。異世界は不思議だな。というか、街に来て初めて異世界の実感が湧いてきたんだが・・・、それは置いといて、通行人によると冒険者ギルドで魔物の素材が売れるらしい。
到着した所は、ものすごい大きい建物だ。
「・・・ここみたいだな。行くぞ、梨里」
「でかぁ・・・」
呆けてる場合じゃねぇっての・・・。
中に入ると、屈強な人が・・・、全然いなかった。冒険者って、いかついイメージあるんだけど・・・。
「すみません、買い取りってできますか?」
「はい、大丈夫ですよ〜」
そう答えたのは獣人の兄さんだ。もふもふしてそうでいいな・・・。
ゴブリンの耳やオーガの毛皮などを出していき、買い取ってもらう。ちなみに、この世界の金はこんな感じだ。
1銅貨・・・・・・・・・100円
1銀貨・・・・・・・・・1000円
1金貨・・・・・・・・・10万
ちなみに、金貨の上もあるらしいが、多分入手は無理だろうし、説明は後回しでいいだろう。
梨里にそのような説明をし、獣人の兄さんからは、11銀貨に4銅貨もらった。
「あ、すみません、これもお願いしても?」
俺はドラゴンの鱗を大量に出した。一応これでも1割にも満たないけど・・・。
「はい、わか・・・、ぅえ!?」
獣人の職員は鱗を見て驚愕する。みるみるうちに真っ青になり、奥に引っ込んでいく。誰かを呼んでるのか?
――数分後、俺と梨里はギルドマスターの前に座っていた。もちろん、部屋は移動して。ちなみに、呼ばれた瞬間に、「これ出さなきゃよかった」と後悔していた。
「まず初めに、ギルマスのローガンだ。君たちは?」
「ローガンさんですか、ご丁寧にどうも。俺が透で、彼女が梨里です。旅人です」
ギルドマスターは難しい表情を浮かべ、
「これは古代種の鱗だよね?どこでこんなに?」
「倒したんで・・・、あ」
つい口が滑ってしまった。
「倒したぁ!?」
そりゃこうなるよね。失敗失敗。
これまでの事情をかいつまんで話した。誰にも漏らさないことを前提に。転移してきたこと、チートスキルで何とか倒したこと。嘘をねり込みながら話すと、信じてもらえたようだ。
「なるほど。あのドラゴンはギルドでも手を焼いていたから助かった。報酬は1白銀貨でどうだ?それ以上は出せないんだ・・・、すまん。」
「白銀貨ぁ!?」
あのときの前言撤回、説明しておけばよかった。
1白銀貨・・・・・・・・・1000万
1白金貨・・・・・・・・・1億
このようだ。ちなみに、まだ大量にあるのだが、言わないでおこう。うん。
「・・・わかりました。丁重にお受け取ります」
ギルドを出た俺達は、宿屋を探し出し、一息つく。
「何部屋余ってます?」
「ちょっと待てよ・・・。・・・1部屋だな。」
1部屋だけか・・・。ベットはいくつあるのだろうか。まぁ、いざとなれば床で寝よう。俺が。
「梨里、一緒の部屋でいいか?」
「いいわよ、別に」
梨里も疲れが溜まってきてるらしく、即OKした。
お互い、風呂に入り、部屋に行くと、ベットが2つあった。最初に来たら1つだったため、宿屋の人が・・・。ありがたや、ありがたや〜。
「よし、寝るか。おやすみ〜」
「ちょっと待って」
俺は早めに寝ようとすると、梨里から待ったがかかった。なんだ?
「どうした?寂しいのか?」
「冗談言わないでよ。というか、前はそういうこと言わなかったよね?」
やれやれ、何を言いたいんだか。
「なにを――」
「透、無理してるでしょ?」
――核心をつかれ、俺は押し黙った。
透が無理してる・・・だと!?(←作者なのに知らないのかよw)
さて、宿屋についた透たちでしたが、透は何やら隠してたようですね。
透が何を無理してるのか・・・。
よければ次の話も見てください。