七話 異世界初の街
第七話です!
楽しんでいただけたら幸いです。
森から抜け出した俺と梨里は、とりあえず街を探すことにした。
「いや〜、なかなか見つからないな。そこら中草原だし、街なんてあると思うか?」
暇なのでそんな疑問を梨里に聞いてみる。
「さぁ?少なくとも、どこかにはあるはずだけど・・・」
「そうか、梨里でもわからないか・・・」
梨里は頭は良いので、ちょくちょくグー◯ル先生みたいに質問しているが、異世界だとだめっぽいな。いや、異世界に詳しいほうがやばいか・・・。
「なんか失礼なこと考えてないでしょうね?」
「いや!?ソンナコト、ナイよー?」
棒読みで答えると、ジト目を向けられた。辛い・・・。
適当に散策していると、《気配察知》に引っかかったゴブリンの群れがいた。その中に目立った魔物がいるので《鑑定》を使って確認する。〈ゴブリンジェネラル〉という魔物だ。速攻で潰すかと考え、動こうと思ったが、考えを変えた。
「梨里」
「ん?どしたの?」
「向こうにゴブリンの群れがいるんだけど、梨里が戦ってみて」
俺がそう言うと、梨里は焦った顔で、
「む、群れぇ!?無理無理!ゴブリン2体とかならまだしも、群れでしょ!?無理無理無理!!」
と却下された。しかし、
「俺がいつまでも一緒にいれるとは限らないんだぞ?なら少しでもレベルアップしておくべきだ」
「っ!でも・・・」
やはり、迷ってるらしい。でも、もう一押しで行けそうだ。
「なんかあったら、俺が対応するから。な?」
「・・・うぅ、わかったわよ・・・」
――数分後。結果だけで言えば、梨里は強かった。とんでもなく。
まず、彼女は火魔法をぶっ放してほとんどのゴブリンを殲滅して、最後に〈ゴブリンジェネラル〉をやすやすと倒し、終わった。
「・・・俺、必要あった?」
実際、梨里自身も驚いていた。そこでふと気付く。《鑑定》で梨里のステータスを見れないかと。
「梨里のステータスを見ていいか?」
「え?そんなことできるの?他のクラスメイト達は見れないって言ってたけど・・・」
「まぁ、できるかわからんけど、やってみる価値はある」
できなかったらできなかったで、そん時に考えよう。
俺は《鑑定》を使い、意識を梨里に集中すると、ステータスが見えた。
星野 梨里 〈Lv〉31
〈HP 950〉 〈MP 1500〉
〈加護〉魔神の祝福
〈ユニークスキル〉《道化師》
〈スキル〉《魔術 Lv.15》〈回避 Lv.7〉〈身体強化 Lv.5〉
〈魔法〉《火魔法》《召喚魔法・下》《強化魔法》《混合魔法》
〈耐性〉《状態異常軽減》
・・・普通、スキルって、こんな少ないのか。改めて、自分のチートを理解した瞬間だった。
俺達は、街を探して歩き回るが、
「・・・だめだ、このままじゃジリ貧だ・・・。何かしら良いスキルは・・・」
ん?《飛翔》?こんなスキルあったっけ?まぁ、飛ぶってことだろうし、上から見るのも手だな。あ、《千里眼》ってスキルもあったな。《飛翔》で空飛んで、《千里眼》で確認するか。
「梨里、ちょっと休んでいいぞ。上から探してみるから」
「上?」
俺は《飛翔》を使うと、空へ高く上がり、周りを見渡す。
「うぉ!高!」
周りを見渡すと、千里眼を使わずとも街が見えた。さっきのところから歩いていると30分程度か?俺が地上に戻ると、梨里が呆然としていた。やれやれ、化け物を見る目だな。
「すまんすまん、説明してなかったな。さっきのは《飛翔》ってスキルだ。というか、街見つけたぞ」
「すぐ行こう!今すぐ!」
先程から呆然としていた梨里が、街を見つけたといった途端元気になった。それもそうか、風呂とかも入ってないしな。
「よし、行くか」
――数十分後――
「いや、大きいな、この街・・・」
「そ、そうだね・・・」
街についた俺達は呆然としていた。あまりの大きさに。
「とりあえず、うん。よし」
色々嫌な予感はしたものの、面倒臭く、考えるのをやめて、俺と梨里は街に入った。
遂に街にたどり着きましたね。え?一話内に収まった?確かに遂にってほどでも・・・?
さて(現実逃避)、まさか、梨里さんもまぁまぁ強いんですね。
街に入る前に嫌な予感をした透ですが、当たってしまうのか!?
次の話も見ていただけたら幸いです。