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Xtra4❲サーカッシュ樹林の災厄モンスター❳

龍地球の世界は母なる地球と似たような文明だと、二つの地球を行き来出きる能力を持っている友達が言っていた。

大きな違いは地形と生物、歴史や言語や宗教と大なり小なりあるんだけど、その中で一番の違いは、なんと言ってもWEGSの存在だね。

母なる地球にはWEGSの存在はないらしい。

WEGSの製造には、人間の他にドワーフの技術と、素材を精製するエルフの力によって製造されるんだ。

素材製造で鋼鉄とアダマンタイトの精製にはエルフだけが持つ技術、細かくて極めて高い組み立てが出きるドワーフの技術、そして設計するに欠かせない人間、しかも能力者でなくてはならない技術の三つの力によって初めてWEGSが完成するの。


母なる地球から転移しに来たクラスメイトの男子達は、ロボットだってはしゃぎにはしゃいでたけど、まあ間違ってはないけどロボットって言うより思考するサイボーグって言うのが正解かな。


まあ、余談だけどロボットってはしゃぎ回る男子の中に、今だに幼児のような性格の男子が何人か居たなぁ。中学ニ年生の時にかかる病気が今だにかかっている男子が……、って、わたしの目の前にも居た!


幼児のような性格で、思った事をすぐに口にする痛い男子。


「文句ばっか言うなよ、フリーブレイバー」


言わずと知れたアスト……、まあアスト・シーアくん。キミはあの男子達のように「左手に宿る邪神が!」とか「小生の額の二つ目が災いをもたらす」とか言わないだけ、まだマシだよ。でも、イタイ時あるからね……


「こんな湿地帯でこれ以上、早く行けるか!バカアスト!」


黒光りのWEGSが搭乗しているアストに文句を言っている。


二つの重なったバイクのような、車のような乗り物にチェンジして走行しているアストの相棒のWEGS、フリーブレイバー。


ボディーは黒、所々に黒い透明のカプセルのような装具の奥に、精密な機械内部が見える。


その特徴は、新型WEGSである事が一目瞭然で解る。

新型WEGSは五年前に誕生し、旧型WEGSには、内部構造が見える透明カプセルがない。更にWEGSには新旧関係なく、所有者を守るヘルメットと全身を防護する薄型スーツと、様々な龍地球言語を翻訳する機能が備わったスグレモノなんだ。


アストのWEGSは双頭猟犬(オルトロス)型のWEGSであり、二つのバイクの先頭部に猟犬の顔がある。デザインがかなり格好良くて、またわたしとも仲が良いWEGSなんだ。


もちろん、わたしのWEGSも格好いいWEGSであり、自慢の相棒なんだ。


わたしのWEGS麒麟(キリン)モデルの赤黒いボディーが特徴のWEGS、名前はファーストキッス。


この際だから、この場のみんなのWEGSも紹介。


パラガスの茶色のWEGSが(ぬえ)モデルのギルティノット、赤いグライダーにチェンジしている飛竜(ワイバーン)モデルのピットの相棒のダイバーキング、エリアの灰色の蜥蜴馬(ムシュフシュ)モデルのジャンクメイデン、そしてミレアの金色の龍馬(ドラゴホース)がデスオブウィッチ。


WEGSの話しで長くなりすぎたので、また別の機会に……


サーカッシュの洞窟への道のりは、WEGS走行で一日。徒歩だと一週間はかかるんだ。


わたし達はサーカッシュ樹林の丁度、真ん中辺りまで移動しており、ここまで来るのに多種多様のモンスターや邪悪な亜人に遭遇し、みんなが簡単に蹴散らして行った。


小鬼(ゴブリン)黴の巨人(トロール)双頭蛙(ダブルトード)触手黒豹(エビルパンサー)やらなんやかんや倒して行ったんだけど、更に奥へと行くと、ちょっと厄介……、いやいや、かなり厄介なモンスターと遭遇してしまったんだ。


「これはかなりディープだな……」


樹木や岩影に隠れ、パラガスがそのモンスターの姿を散ら見しながら呟いた。


そのモンスターは、沼の水を長い舌を巧みに使い体内へと水分を補給しており、まだわたし達の存在に気づいていない。っていうか、多少の物音にも応じない性質だからもしかしたら気づいているのかもしれないけど……


水を飲んでいる時、そのモンスターは目を綴じており、間違っても己自身が()()()()()ように本能で目を摘むっているの。


「戦おうか?」


「バ、バカか?バカアスト、()()()が雄だったらおいら達は全滅だぞ!」


アストの提案にピットが小声で叱責する。


「いや、アタイらにはWEGSのスーツがあるから、間違っても全滅はしないけど……」


「半径1キロメートルの生物、植物は死滅し、そこら一体、一年くらいは草木も生えなくなるよ」


エリアとミレアがそのモンスターの特徴を答える。


「迂回するしかないね」


わたしの提案にみんなが賛成する。

面倒だけど、あんなモンスターと戦うにはリスクが高い。


わたし達が行動を起こそうとすると、突然、沼の中から巨大な巨大鰐(ジャイアントダイル)が、事もあろうか、そのモンスターを襲撃して来たの!なんておバカなの!?


わたし達は驚き全員が腰を抜かした。


一瞬にして、巨大鰐はそのモンスターの能力によって石化し、絶命する。


巨大鰐のいきなりの襲撃によってそのモンスターは興奮状態になり、わたし達六人を睨む。


「ヤバい!石化するぞ!」


わたし、エリア、ピットの足取りが急に重くなる。


瞼を綴じたから一瞬にしての石化は防げたけど、このモンスターの石化能力は、瞼を綴じていても効果があるんだ。徐々に石化する能力が……


「くっそ!やっぱり戦うしかないのか?」


パラガスが悪態付くと、アストがパラガスの肩を引き、何やらアピールする。


「ボクしかいないでしょ?アイツを倒せるのは?」


「いや、ミレアも倒せるけど……、まあ、ミレアはキャル達の石化を解くから仕方ないけど……」


どや顔するアストにミレアが突っ込みを入れると、アストは咳払いをして、再度どや顔を見せた。


「あのバジリスクを倒せるのはボクだけだ!」


だからねアストくん。ミレアだけじゃなくこの六人なら誰でも倒せるからね!一応、わたし達チートだからね!


八本脚の蛇王(バジリスク)の特徴は頭に王冠のような鶏冠を持つ、体長二メートルの八本脚の蛇であり、石化魔力の視線を持ちあわせた危険怪物AAA(トリプルA)のモンスター。更にオスの血は半径一キロメートルに及ぶ猛毒の血を持っている、まさに災厄モンスターである。


アストは相棒のWEGSにより、戦闘準備にかかった。


さあ、アストくん、あなたのチート能力を見せつけてあげなさいっ!


わたしは石化中でもありながら何故かどや顔を見せた。



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