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Xtra2❲国王に集う六人❳

「アストく~ん。前にも言ったよね~?アタイのキャルを泣かしたら……ぶち殺すって……」


まるで誘惑するように人差し指で、その女子はアストの胸元を撫でる。


逃げようとするアストに、一人の男子がアストの肩に腕を置き、身動きをとれないようにする。


「まあまあ逃げんなって……、へへへ」


この男子と女子は顔がそっくりで、誰から見ても双子だと解る。二人とも色気というか妖艶さがあり、端から見れば美しい美人姉妹に見える。


名前は姉のエリア・ハートブレイカーーと弟のピット・ハートブレイカー。


「さ、先にじいちゃんが喧嘩吹っ掛けて来たんだよ……、ボクは正当防衛を……」


「そんな事聞いてねぇよ、アスト、お前に聞いてんのは、何故にキャルが泣いてんのか?って聞いてんだよ?お前解ってんのか?あぁん?お前みたいな下等生物の脳の持ち主が、何故にキャルを泣かしてんだって言ってんだよ!」


で、このインテリっぽい眼鏡のイケメンが、パラガス・キート。頭が良いんだけどキレるとやっかい。


「死ねばいいのに……、アストなんて死ねばいいのに……、死んだらミレアがペットにしてあげるから」


一見すると幼い体格の小さく可愛い女子が、無表情でアストに呪いの言葉をかけている陰気な少女が、ミレア・ソウル。


すでにわたしは泣き止み出していたんだけど、四人の友達がアストに精神的な脅迫していて、アストは目に涙を溜めて奮えている。おじいちゃまも何もなかったように玉座に座り、空気と一体化するように気配を消した。


「お、お前らなんか嫌いだ!あの先生が昔言ってただろ!いじめは絶対にするなって!お前らがしてんのは、ボクへのいじめだ!」


アストが逆ギレしながら反論すると、四人がため息を吐き、そしてキレだした。


「貴様がミレアをいじめてたから、おいらが怒ってんだよ!」「アタイのキャルをいじめててどの口が言ってんだ?マジで散らすぞ!」「知能指数一桁のお前にしては笑わせてくれるじゃねぇか?まあ失笑だけどな」「ペット決定」


四人の言葉の暴力にアストが遂に泣き出した。


そんなアストをまるで汚物でも見るかのような視線をし、四人は玉座に座るおじいちゃまを睨むように視線を向けた。


性格悪そうに思われがちの四人だけど、本当は優しいんだよ。わたしには……、念のため……


「で、アタイ達に用って何?」


エリアの態度が急に変わり、冷静な表情となり床に膝を付くと他の三人も何もなかったように静かに膝を付く。


「お前達には、ある調査に向かってもらいたい」


おじいちゃま……、国王の表情もガラッと変わり、鋭い視線がまるで暗殺の依頼を命ずるような感情的な態度に、わたしは無意識に膝をついた。


「龍地球の子と呼ばれる十と三の龍……」


その発言にわたし達の身が一瞬、固まり国王の次の言葉を待つ。アストもいつの間にか膝を付いて国王を凝視する。


「闇龍キーカンバーが輪廻転生したと報告を受けた」


「それは何かの間違いじゃない?じいじい?」


おとなしい性格のミレアが反応する。ミレアの明らかに動揺する態度にわたし達は少しだけ驚く。


「ミレア、お前が動揺するのも無理はない。本来ならキーカンバーが死亡してから僅か十年。最低でも五十年は輪廻しないと……」


「じゃあ、キーカンバーの偽者とか?」


「解らぬ。解らぬからお前達に調査してもらいたいのだ」


アストの反論に国王が目を瞑って答える。


「調査って、この国の西のサーカッシュ樹林の奥の……」


「そう、サーカッシュ大洞窟じゃ」


パラガスの質問に国王が目を開け答える。


「キーカンバーの生死の確認。何故、輪廻したのかの調査と、理性の判断……」


国王が玉座から立ち上がる。


「生まれたばかりだから、命の危険性が高い。よってキーカンバーの保護。ミレアよ、保護の交渉はお前しかできぬ」


国王の命にミレアが頭を下げる。


「残りの五人はサーカッシュ樹林、及び大洞窟の危険なるモンスターの排除、及びキーカンバーが交渉に応じなければ……」


国王はわたし達に近づき、ミレアの肩に手を置き、小声で「すまぬ」と謝罪し、高らかに宣言する。


「我らアールドの民の害と判断し、殺害せよ!」


国王の命令にわたし達もミレアと同じように頭を下げ、国王の勅命を承諾した。


龍地球最強に位置する生体の一つである龍種。その更に頂点を君臨する龍地球の子と呼ばれる最強の十三の龍。


その一頭との対峙。それができるのはわたし達しかいない。


わたし達はあの十年前の最強の先生と今の担任の三十人の生徒だから……


今の担任は現アースストライダー最強の部隊、ワールド13の一人。


十年前の先生は、地球最強の男と呼ばれた先生。


わたし達はそんな最強の先生達に教わった、いわゆるチートなんだよね。


えっ?名前?


今の担任は沖田仙道先生で、十年前の先生は那賀龍神先生。


優しくて頼りになるけど、二人共に超変わり者なんだけどね。



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