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カリグラファーの美文字異世界生活   〜コレクションと文字魔法で日常生活無双?〜  作者: 磯風
第二章 慣れてくるといろいろあるものです
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第58話 ご要望にお応えしましょう

 取りあえず、考えられる防御系魔法を我が家に付与し終えた。

 絶対安心とはいかないけど、今はこれで良い。

 そして、父さんと母さんのケースペンダントの付与も変えておかなくちゃ。

【集約魔法】以前のやり方だったから、書き替えておいた方がいい。


 工房にいる父さんに声をかける。

「父さん、身分証入れ、ちょっとだけ借りていい?」

「何かするのか?」

「うん。いつも身につけているから金属と石の間に汚れが溜まるだろ? 俺のと一緒に掃除しようと思って」

「そっか……でもなぁ……」

「その間はこっちのに入れておいてよ。掃除はすぐ終わるから、昼までに返せるよ」


 こっちは羅針盤みたいなデザインだ。

「おおっ! こいつもいいじゃねぇか!」

「だろ? 新しく作ったのもそのまま持っててよ。これからは好きな方に入れ替えて使って」


 身分証まで預かれないし、他のケースもないからね。

 昨日のうちにちゃんと、魔法付与付で作ったのだ。

 早速【複合魔法】と【集約魔法】は大活躍だぜ。


 母さんにも同じように言って、ケースを入れ替えてもらう。

 新しいのは、すずらんの花にしてみた。

 俺的に可愛い花の代表なのだ。


 ふたり共、すぐに外に出てどうしたんだ?

 あ……陽に透かしてみてる……

 よかった、新しい方にも透かし文字入れておいて。


『いつもありがとう タクトより』って入ってるんだ。

 ふたり共、ニコニコだ。

 喜んでくれてるみたい。


 魔法の再付与も終わり、ケースをふたりに返して昼時の忙しい時間に突入だ。

 母さんも父さんも、今日は新しい方を着けてくれている。

 何種類か作ってあげてもいいなぁ。

 ……あ、メーセージが思いつかないかも。



 怒濤のランチタイムが、一段落。

 今日は、めちゃくちゃお客さんが多かった……

 やっとゆったりスイーツタイムだ。


 客席がほんわかしてきて、女の子が多くなったなー。

 以前より慣れては来たけど、緊張はする。


「あー、疲れたぁ……まだ昼飯大丈夫かい?」

 タセリームさんだ。

 珍しいな、いつもは早めに来て、混む前に帰る人なのに。


「まだ大丈夫だけど……忙しいの?」

「明後日、大取引きの商会長が来るんで準備が大変でさぁ……パン三個ね」

「了解。今日は赤蕪とシシ肉の煮込みだよ」

「おお、いいねぇ」


 母さんから料理とパンを受け取ってタセリームさんに運んだ時に、隣の席の女の子達に呼び止められた。


「あの、この子のしてるこれ、ここで買ったって聞いたんだけど……」

 あ、あの試作品プロトタイプを仕上げた奴だ。

 使ってくれているのかー嬉しいなー。


「うん、そうだけど」

「もう売らないんですか?」

 食い気味で聞かれた。


「今の所……俺、作る予定はないから」

「え、これってタクトくんが作ったの?」

「うん、そう。使ってくれてありがとね」


 おおっ?

 女の子達が怪訝な目で……

 ご、ごめん、製作者が気に入らなかったのか?

 マジでスマン。

 捨てるならせめて、俺の目に触れない所で捨ててくれっ!


 もう一回謝って、そそくさと厨房に戻り、母さんに断って裏から工房へ回った。

 ふぅ……何が地雷か分かんないなぁ……


       ********


 その後の店内 〉〉〉〉


「知らなかったー嬉しいー!」

「ずるいわっ、なんでもう作らないのよっ!」

「あたしも欲しい……」


(これ、タクトくんの手作りだったのね……買って、よかった……ふふふっ)


「こんな綺麗なモノまで、作れるの? 凄すぎない?」

「これ、絶対欲しい……いいなぁ」

「あの日誘ったのに、来なかったのはあんた達じゃない」


「ねぇねえ、君たち、それ身分証入れだろ?」

「そうよ……なに? おじさん」

「おじ……んっ、んん。タクトが作ったって話だけどさ、もし、同じような物が他で作られてても、買うかい?」


「……買わない。タクトくんのが、いいもん」

「あたしは……これより綺麗なら買うわ。値段にもよるけど」

「タクトくんが作ったのがあるなら、そっちが欲しいけど……もう作らないなら、買うかも」


「そうかぁー……ありがとうねー」


(……なに? あのおじさん……怪しすぎ。でも……なにか、企んでいそう…)

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