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カリグラファーの美文字異世界生活   〜コレクションと文字魔法で日常生活無双?〜  作者: 磯風
第二章 慣れてくるといろいろあるものです
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第51話 尋問(?)

 東門まで戻って来て、捕縛されたふたりはそのまま牢へと連行された。

 俺は……ビィクティアムさんからの尋問タイムである。


 東門にある衛兵隊詰め所の一室に、連れてこられた。

 お菓子が出ているので、一応お客様扱いのようだ。

 同行していた衛兵さん達は、ビィクティアムさんの斜め後ろに控えている。



「それでだ……タクト、先ずはあいつらを追えたのは、おまえのおかげだ。礼を言う」

「いえ、ビィクティアムさんが信じてくれたからです。こちらこそ、すみませんでした」


「それと、おまえはあいつらが、何をしようとしたか解っていたのか?」

「いいえ、解っていた訳じゃありません。あの人達が色々な人に迷惑かけていたから、またなんかするつもりかと思ったんです」

 色々……に俺も含まれてるので。


「あの袋……女が投げ入れた袋はどうした? 確認したか、ワイズ?」

 ビィクティアムさんが、後ろの衛兵に確認する。

 俺を気遣ってくれたあの衛兵さんだ。


「いえ……見あたりませんでした。もう中身が溶けて、袋も流されたのではないかと思います」

「……そうか……」


 ビィクティアムさんが、立ち上がって顎をくいっと動かした。

 ワイズと呼ばれた衛兵を、脇のふたりが取り押さえた。

「う、うわっ! 何を……!」

「気付いていないと思ったか? あのふたりを、あの山に通したのはおまえだ」


 えっ?

 ええええーっ?


「俺が追跡すると言った時に、おまえは既に山歩き用の靴を履いていたな?」

 足下を見たらワイズ以外は普通の靴だった。

「そ、それは偶然ですよっ」

「朝の見回りは、おまえが北東門の担当だった。あいつらは北東門から入ったはずだ」


「北東門の見回りは……ファイラスも一緒で……」

「本日、私は先に東門に向かうように言われていました」

 ……あの人がファイラスさんか。

 即答だね。

 すぐばれる嘘ついちゃって……もう、黒だって言ってるようなもんじゃん。


「それにあの男が、おかしな武器を俺に向けた時におまえはわざと身体をずらして、あの男からタクトが見える様に視界を開けた」


 そ、そうだったのか?

 でもそのおかげで銃口が見えて、ソッコー圧縮空気で栓ができたから、ある意味ファインプレーなんだけど。

「そして……あの袋の中身がどうして《《溶けてなくなるもの》》だと知っていた?」


 あ、そうだよ。

 誰も中を見ていない。

 溶ける物なのか、そこに留まって何かを発生させる物なのか解らないじゃないか。

 そっか、あの時ビィクティアムさんが睨んでいたのは、俺じゃなくてこいつだったのか。


「ビィクティアム副長!」

 部屋に衛兵がひとり、入ってきた。

 手にコップを持っている。


「ご指示の通り、すぐそこの井戸から水を汲んで参りました」

「ご苦労。下がっていいぞ」

「はっ!」


「飲んでみろ、ワイズ」

「……い、いえ……」

「飲めよ。戻ってから一口も水を飲んでないだろう?」

「いやだ! 飲めるか、こんなものっ!」


 ……自白、完了だな。

 マジで毒だったんだな。

 この町の人達を殺す気だったんだ。


「あの袋なら……俺が回収しました」

 あ、ワイズが目を剝いてる。

 そうだよ、あんた達の企みは失敗だよ。


「俺が隠れていた辺りに流れてきたので、拾っておきました」

「……と、溶けなかったのか……? なんで……」


 俺は袋を開けずに、ビィクティアムさんに渡した。

 袋を開けたビィクティアムさんは吹き出し、その中身をワイズに見せた。


「あいつら、バカだろう? 油紙に包んだままじゃないか!」

「へ……?」

「タクトがすぐに拾ったからだろうが、中は全く濡れていないぞ!」


 ワイズの顔が真っ赤になった。

「あっの、くそ冒険者ぁぁぁぁっ! あの方からの依頼を、下らない事で失敗しやがってぇっ!」


 はい、終了。

「『あの方』ってのも吐いてもらうぞ」

 ビィクティアムさんの凄味のある声に、今度は真っ青になったよ。

 ワイズはそのまま連行、あのふたり同様牢屋行き……かな。


「さてと、こっからが本題だぞ、タクト?」


 今度こそ俺の番かぁ……

 うー、胃の辺りがモヤモヤするぅ。


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