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カリグラファーの美文字異世界生活   〜コレクションと文字魔法で日常生活無双?〜  作者: 磯風
第二章 慣れてくるといろいろあるものです
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第35話 ちょっと有名になってきた?

 最近、なんだか変なものが度々持ち込まれるようになった。

 タセリームさんがあの燈火に随分感動してくれたみたいで、あちこちに俺のことを話したらしい。


『使い方がよく解らないものを持っていくとタクトが使えるものに改造してくれる』


 ……はい?

 いやいや、あれは偶々だよ?

 珍品ばっか持って来られても、何もできないかもしれないよ?


 まぁ……俺的には珍しい物が見られて、面白いけどさ。

 父さんも、面白がって改造してくれてるし。

 でも、これじゃカリグラファーじゃなくてリメイク職人だよ。



 そして今日も、タセリームさんが凄い物を持って来ている。

「でね、タクト、こいつなんだけどねっ」

「どうしていつも変なものばっか持ってくるんですか、タセリームさん……」

「他の町との取引で、面白いものがあったら取りあえず買ってる」

 商人としてその姿勢は、褒めるべきか呆れるべきか……


「おまえ、よくそれで商売になっとるなぁ」

「ちゃんと売れるものも仕入れてますよ。これは趣味みたいなものですって」

 やっぱ趣味かよ。


「これ……どこの国のものですか?」

「アーメルサス教国だね」

 アーメルサス……確か内陸の盆地に首都がある北西にある国だ。

 あんまり大きくはないけど、技術が高いって聞いた事がある。


「前回の燈火もそうですよね?」

「おお、よく解ったね」

 きっとあの国では、電気を帯びた鉱石が取れるのだろう。

 それを【付与魔法】で自然放電しないようにしているんだ。


「こいつも電気ってやつか?」

「多分そうだね。ここに……入れるんだと思うよ」

 台座の平たい石板の一部に空洞があり、魔法付与された鉱石はなくなっている。

 おそらく……トルマリンだ。

 綺麗な石だから、抜き取って売ったんだろうな。


「ここに入れて……で、何が起きるんだ?」

「なんの説明もされていないのに買ったのか?」

「面白そうだったものですから」

「これ、湯沸かし器ですよ。きっと」

 いわゆる、電気ケトルだと思う。


父さんが不思議そうに覗き込んでくる。

「火が点くのか?」

「いや、小さい雷を熱に変換してお湯を沸かすんだよ。やってみようか」

 空いたスペースと同じ大きさの平たい石に電気発生の【文字魔法】を付与。


 プレート状の台座にセットする。

 多分、このプレートに電気を熱に換える魔法が付与されている。

 この石自体、特別な素材だろう。この町では見たことがない。


 取っ手の付いた付属の入れ物があり、三分の一くらいまで水を入れてプレートに乗せた。

 入れ物の下部に付いている切り替え装置を動かす。


「なんともならんぞ?」

「温まるまでちょっと時間がかかるけど、すぐだよ」


 一分もしないうちにボコボコと音がしだして、あっという間に湯が沸いた。

 どうやら正解だったようだ。

 蒸気が出ると、自動的にスイッチが切れるという仕組みもあった。

 しかし、こんな物まで作ってるなんて凄いな、アーメルサス教国。


「こりゃあ……すげぇ……」

「いちいち火を点けなくていいし、沸かしすぎて吹きこぼれる事もないな」

「でも、いっぺんに沢山は沸かせないし、すぐに使う時じゃないと保温はできないよ」

「これ、何個か作れないか?」

 ……作れるけど、面倒。


「うーん……この仕組み自体を作り出すのは、シュリィイーレの素材だけじゃ無理だと思う」

 まあ、電気を使わなくても、プレートに乗せるだけで温まるようにできなくもない。

 でも【文字魔法】を使ってもかなり、面倒な魔法付与になりそうだ。


「タクトの言う通りだな。こりゃアーメルサスの特産品がかなり使われとるようだ」

「くっそー! 儲かるかと思ったのにー!」

 アーメルサス特産の電気を帯びた石を使うことで、他の国が作れないようにしているのかもしれない。


 商品開発は別の所に頼んでくれよ。

 うちは、修理が専門なんでね。



 その後、なぜか複数の客達から『珍品改造魔法師の店はここかい?』って聞かれた。

 誰だよ、それ。

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