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第24話 素材の買い出しに行こう

 今日はガイハックさんが修理用の素材を買いに行くのに、一緒に連れてきてもらった。

 素材は白森の近い南西側と、碧い森や錆山の近くの北側に店が多い。

 今日の買い物は、鉱石や金属なので北側の店だ。

 こっちに来るのは初めてなので、どんな店があるのか楽しみ。


 素材ごとに店があり、専門店みたいになってる。

 ひとつの店で全部揃うのも便利だけど、こうして専門店を巡るのも好きだ。

 顔料絵の具の店もあった。

 石などを粉にして油で溶く奴だ。


 その絵の具も実は試してみたのだが、効果があまり上がらなかった。

 空中文字にも向かないようだし。

 店を見ていて、ふと、寂しくなってしまった。


 もう新しい色のインクも、万年筆、ノートとかの新商品が出ても買えない。

 出たかどうかすら、判らない。

 今、コレクションに入ってるものは【文字魔法】で同じものを出せるからなくならない。

 でも、今以上に増やすことはできないんだ……

 そう思うと、やっばり……ちょっと悲しい。


 だめだ、贅沢になってるな。

 今持っているものを、大切にしよう。

 この世界でも、コレクションしたくなるものができるかも知れないし。



「タクト、おまえは必要なものあるか?」

「えーと……あ、鉱石とかが少し欲しいので……」

「石か。じゃああっちだな」


【付与魔法】は、鉱石や貴石を磨いて装飾具になったものに付与することもある。

 今まで空中文字を石に書いたことはないので、小さいものに使えるか試したい。

 カットや磨きの練習もしたいしね。


 小さいものばかりだけど、そこそこ重い……

 でも、大丈夫。

 肩掛け袋の中にトートバッグをしのばせ、二重にしていた。


 トートの方に買ったものを入れ、こっそりコレクションにしまう。

 以前、肩掛け袋をコレクションにそのまま入れようとしたが、袋は“鞄”と認識してくれなくて入らなかったのだ。

 まぁ、荷物がなくなったように見えなくていいけどね。


「ガイハックさん、俺まだそんなに重くないから少し持つよ」

「ん? そうか? そりゃ、助かる。結構重くてな」

「金属が多いからね」


 ずしっ


 あ、マジで重いわ。

 ガイハックさんの持ってるものの、三分の一くらいなのに。

 今度、買い物用のカートでも作ろうか……

 ミアレッラさんが野菜を買う時にも、便利だろうし。

 いや、石畳だと車輪系はかえって運び辛いか。


 持つと言った手前、音を上げるわけにいかないので、頑張ってなんとか家の近くまで来た。

 あと少しでこの重さから解放される……と、思った時。


「てめーっ!」

 突然、真横から飛びかかるように出てきた奴に突き飛ばされてよろけた。

 倒れなかったのは、日々のランニングのおかげだろう。

 足腰、少しは鍛えられているのだ。


 飛びかかってきたのは、ミトカだった。

「てめーが医師組合に告げ口したんだろ!」


 ……こいつは、思い込みでしか行動できないバカヤロウなのか?

 面倒事の天才だな。

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