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第16話 付与魔法と文字魔法の違いをまとめてみよう

 検証を繰り返す。

 そして、工房の人達から聞いた【付与魔法】と比べてみる。


【付与魔法】

 効果が発動するように物品に直接、魔力を込める。

 文字で書くのは発動条件というより、込めた魔法が消えないようにする封印。

 文字が消えたり欠けたりしても、すぐに魔力はなくならない。

 魔力さえもう一度供給すれば、何度でも同じ効果が発揮される。

 ものによってはその魔法の発動、効果維持の為に使用者の魔力が必要。


【文字魔法】

 書いた文字そのものに、魔力が宿っている。

 文字で書かれた意味が、現象として発現・維持される。

 文字が消えたり欠けたりすると、全く効果を発揮しない。

 消えた部分だけ書き直しても、効果は格段に劣る。

 使用者本人の魔力は、おそらく必要ない。



 これは……求められている【付与魔法】とあまりに違うのでは?

 付与魔法師ってこと自体が、詐称になるレベルの違いではないのか?


「つまり、俺が考えなければいけないことは……」

 文字が消えないようにする方法。

 これが一番大事で、一番……難しい。

 なにせ、付与したい物品に直接書けなければ【文字魔法】を書いた紙をずっと触れさせておくしかない。


 書かれている文字が見えるように、でも消えないように……

 大きさ制限もあるし、なにより美しい文字でなければ、よりよい効果は得られない。


 試しに彫ったあとに、ペンで文字を書いてみた。

 しかし、字が汚いと判定されたのか、なんの役にもたたない程度の効果しかなかった。

 ……彫刻やレリーフで、美文字なんて無理。

 だって俺、文字書きだもん……


 こういう時は、心を落ち着けるために大好きな文字を書くに限る。

 カリグラフィーは、最近練習していなかった。

 ゴシッククアドラータとかで書いてみちゃうかなー。

「うーん、何にしようかなー」


 書く単語を考えながら、空中でスペルを綴る。

 ……空中に……文字が浮かんでいる?

 インク漏れ?


 いや、浮いてるし。

 俺は手に触れていた金属板を、そっと近づけてみた。

 銅板に、青いインクの文字がくっついた。


“SILVER”

 そう、俺が空中で書いた単語。

 俺が頭の中で組み立てていたゴシッククアドラータの書体で、銅板に文字が書かれてる。


 そして、銅板が銀に変わっていた。

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