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13.5 ガンゼールとラドーレク

「じゃあ、コーゼスくん頼むよ」

「はい、すみません、受付かわってもらっちゃって……」

「構わないさ、現場もたまには経験しないとね」



「おい、ラドーレク」

「依頼だろう? ガンゼール。なら、コーゼスくんに……」

「違う。今の子供……えーと」

「タクトくんかい?」


「そうだ、タクト……っていうのか。魔力が多いのか?」

「うーん、そういうことは教えられないんだよねぇ。未成年だし」

「……【付与魔法】、使えそうか?」

「だから、教えられないんだよ」

「ふん、否定しないって事は、使えるんだな?」

「なんだって君は、そう都合よく考えるのが得意なんだろうねぇ」


「いつもより、角狼が出る時期が早い」

「そのようだね。解毒系の魔法を使える者を、確保しておきたいところだが」

「毎年うちに来てくれる付与魔法師も、まだ来られる時期じゃない」


「もう患者が来ているのかい?」

「いや、まだだ。でもこれから増えるだろう?」

「そうだねぇ……まだ、冬に必要な素材を集める時期だ」

「早いとこ器具や部屋に毒が残らないように、防毒の付与をしてもらわないと間に合わない」


「それは仕方ないことだ」

「だから、あの子だ!タクト!」

「……どうしてそうなるのか、全く解らないんだが?」


「昨日、ガイハックが左腕と頬を角狼にやられて、親父の所に来た」

「何を言っているんだい?どちらにも、怪我などしていなかったじゃないか」

「あいつは『治してもらった』と言っていた」

「へぇ……【回復魔法】か?」


「おそらくな。そして、その日にあいつはタクトを連れてきた」

「……あの子に、【回復魔法】が使えるとは思えないんだが……」

「なるほど、適性には出ていなかったんだな?」

「思い込みが激しすぎるよ、ガンゼール」


「『使えるとは思えない』……完全に『使えない』じゃないって事は、無属性魔法の使い手だ」

「……」

「無属性の魔法師で、魔法量が多いと言えば【付与魔法】……だろう?」

「……」


「解ったよ、自分で交渉するさ。全く、あんたは確かに組合長だね」

「無理強いはするな。子供に大きすぎる責任を負わせたりするな」

「……しねぇよ」

「脅したりしたら、おまえの依頼は、今後一切受け付けないからな!」

「わかってるよ」

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