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第11話 町の中を歩いてみよう

 翌朝、俺は清々しい目覚めを迎えた。

 森に放り出され、途方に暮れていた昨日。


 小屋を見つけ、なんとか野宿は免れたと安心した。

 発見した能力とその使い方が解って、生きていかれるかもと思った。

 しかし、まさか町の中で、しかもふわふわのベッドで朝が迎えられるなんて。


 神様、ガイハック様、ありがとうございます……!

 てか、神様は俺を森に落としたくらいだから、感謝しなくてもいいんじゃね?


 ミアレッラさんのご飯も美味しかった。

 実は味は素材を生かしたというか、もっとシンプルなものかと思ってたのだ。

 でもハーブとか香辛料とか沢山使ってて、もの凄く美味しかった。


 イタリア料理みたいでもあるし、トルコ風でもあるかも。

 勝手に中世レベルの料理に違いないとか疑って、申し訳ありませんでした。

 これなら俺が日本の調味料を出して使っても、怪しまれないに違いない。



「朝食も美味しい……!」

「沢山食べな。おかわりするかい?」

「はい! 凄く美味しいですね。なんの煮込みなんですか?」

「ありきたりな豆と鶏肉だよ、大袈裟だねぇ」

 そう言いながらも、凄い笑顔で大盛りによそってくれた。

 ミアレッラさん、本当に料理上手だなぁ。


「今度、俺にも料理を教えてもらえますか?」

「そりゃあ構わないけど、ここにいる間はそんな心配しなくていいんだよ?」

「料理するの、結構好きなんですよ。ずっと作っていたし……」


 あれ……ミアレッラさんが、可哀想な子を見るような目をしている。

 そんなに俺、料理とかできなそうに見えるのかな?

 まぁ……不器用ではあるけど、そこそこは、できるんだからな。


「タクト、食い終わったら町の中を案内してやるから」

「はい! ガイハックさん、すぐ行きます!」

 やった!

 歩き回ろうとは思っていたけど、案内してくれるなら心強い。

 この世界で押さえておくべき常識も知っておかないと、だしな!


 ガイハックさんに案内してもらって、色々な商店を見て回った。

 いろいろ買ってくれようとするので断るのが大変で……

 ……殆ど、買ってもらってしまった。


 服とか靴とかは、今の格好がこの町で浮きまくりだったから、ありがたかった。

 ガイハックさん達は、凄く世話好きなんだなぁ。

 俺、本当にちゃんと恩返ししよう。


「次は役所だな。在籍登録をすれば、身分証を出してもらえる」

「それは助かります……本当に何も持ってなかったので」

 身分証明は大事だよね。

 信用されるためには、特に。


「あ……でも俺、こっちの文字は書けないんですけど……」

「ん? おまえの故郷と、字が違うのか?」

「はい、全然違うんです」


 ガイハックさんは、うーん……と唸って天を見上げたがすぐに笑顔になった。

「まぁ、何とかなる!」

 ……なると、いいな……


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