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第03話 バハムートのブエル

 アスガルド王国は美しい森と険しい山脈に囲まれた天然の要塞である。ギルティアと海を隔てて対面にそびえる山脈のおかげで、魔王軍の侵攻を簡単には許さない。


 この王国を魔王軍が侵攻できない理由はもう一つある。


 『勇者』で構成されたアスガルド王国騎士団の存在である。


 数年前、魔王軍No.3であった悪魔を倒したのが、現団長のユピ・ロゼリア。24才、女性。ギルティアでその名を知らぬものはいない。


 冷酷で知られる彼女は、悪魔たちにとって恐怖の対象だった。



 カエデとガルムは今、アスガルド王国へと続く険しい山道を進んでいた。


「カエデ、疲れたよ。ちょっと休んでいこうよ」


 ガルムが話せるようになったのは、海にでてすぐのことだった。ギルティアを抜ける間に幾度か戦闘があり、レベルが上がった模様。尻尾は3本に増えていた。


「そうだね。じゃあ、今日はあの洞穴で休もうか」


 崖の下に川が流れていて、その先に小さい洞穴がある。カエデは指をさした。


 ガルムが近寄り、洞穴に目を向ける。


「くん、くん、くん。カエデ、あの洞穴に何かいる。血の匂いだ。あそこは止めようよ」


 カエデは迷った。危険だが、もし生きているなら見捨てるわけにいかない。カエデはガルムの制止を振り切って、洞穴にいくことにした。不安げにガルムもついていく。


 洞窟の中に入ってすぐドラゴンのこどもが倒れていた。頭から血を流している。


「ガルム! 急いで川の水を汲んできてくれ」


 ガルムは慌ててカエデのバッグからバケツを取り出し、川に向かって走った。


 ドラゴンは目を覚まさない。川の水できれいにふいてやると傷口がはっきりした。カエデは袖をちぎり、包帯がわりにして止血した。ガルムも心配しながら見つめている。


「ガルム、火を起こしてくれ。体温が下がらないようにするんだ」



 ・・・ドラゴンが目覚めたのは翌日の昼頃だった。プライムバードの卵が運良く手に入ったので粥を作りドラゴンの口に流し込んだ。


 夜通しの介抱の末、ドラゴンは一命をとりとめたのだ。


「・・・助けてくれて、ありがとう・・・」


 ようやく話ができるまで回復したドラゴンは、カエデとガルムに事情を話した。


 ドラゴンの名前はブエル。バハムートの子だ。アスガルド王国第三王女、フェン・アスガルドの親友だといった。


 ブエルの耳にはアスガルドの紋章がはいったピアスがある。


 大怪我を負ったいきさつを聞いたとき、カエデとガルムは仰天した。フェン王女がさらわれたというのだ。


 ブエルはカエデに協力を頼んだ。王女を助けて欲しいと。


 フェン王女は人間だ。魔王軍を追放されたとはいえカエデは悪魔。対立する種族を助けるなんてことは、この世界の常識ではありえないことだった。


(人間なんか助けたら、あとで痛い目にあうぞ・・・)


 カエデは村の長老から言われた言葉を思い出した。


 しかし、『いい奴』で名の通ったカエデは違った。


「ブエル。わかった。助けるよ。君が回復したら、すぐにでも行こう」


 カエデに迷いは一切なかった。こうして、カエデは2匹目の召喚契約を果たしたのである。


 このブエルとの出会いが、のちにカエデを世界最強の座へと導くことなるのだが、それはまだしばらく先のお話・・・。


―――――――――――――――――――――


契約No. :002

契約名 :ブエル

種 族 :竜族

個体名 :バハムート

L V :10

体 力 :40

魔 力 :30

特 徴 :竜族最強の個体とも呼ばれる。

     生態は明らかにされていない。

固有技 :閃光弾


―――――――――――――――――――――


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