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弟チートで兄ニート!! ~異世界に来たくらいで働くなんて甘え~  作者: 水道代12万円の人
第二章 ヒューマン英雄王国・ベイリーズ激戦
24/72

第24話 冒険に出発!(後半)





 そして、出発の時間がやってきた。



「いやあ、晴れて良かったですね、お兄ちゃん」

「そうだなあ」



 王城の正門前で、俺たちはそんな呑気なことを言っていた。

 まあ正直なところ、そんなに気負ってはいない。

 先輩の勇者もいるし、護衛も3人も居るし、翠ちゃんが活躍するのを眺めながら酒でも飲んでりゃいいだろ。

 ……これひょっとしてフラグっぽいか?



「ああ、勇者の瀞江翠様と その兄の桃吾様ですね! 初めまして。今回は我々が護衛を務めさせていただきます。私が今回の護衛部隊の隊長のヒューマンワイファーと申します! よろしくお願いいたします」



 そう言って声をかけてきたのは、女性の騎士だった。

 いわゆる女騎士というやつである。

 数は少ないが、この世界の騎士や衛兵には女性も存在する。

 俺が見たところこの辺りの兵士の2~3割は女性だと思う。

 この世界では単純な体格だけでなく魔法の技術も戦闘力の非常に重要なファクターとなるため、そう意味では俺たちの世界よりも身体的な男女差が薄くなるのだろう。

 そしてヒューマンワイファーが握手するために翠に右手を差し出したのだが。



「くッ!! 殺せ!!」

「えっ!? 何でですか!?」

「こらこら、翠ちゃん。初対面の人相手にクセの強いボケをしたらダメだよ」



 翠がいきなりオークに捕まった女騎士のモノマネをし始めた。

 この子は本当に誰に似てしまったんだろうな。

 きっと俺ではないはずだ、俺は真人間だからな。



「いやぁすみません。ちょっとしたジョークです。瀞江翠です、お願いします。……ところで、フィクションだと女騎士って異性慣れしてなくて『す、すまない。色恋には疎いんだ……トゥンク』みたいなの ありがちだけど実際にはどうなんですか?」

「それ初対面30秒で訊きますか!?」

「ああ、すみません。この子に悪気はないんです、ただ常識もないんです。こら、翠。いきなりそういうこと言うもんじゃないよ。あと軍隊って女っ気ないから むしろ女性はめちゃくちゃモテるよ。自衛官の知り合いがそう言ってたし、この世界の衛兵の人にも聞いたけど やっぱコッチでも女騎士は人気なんだって。人によっては男を何人も侍らして月給よりも男からの貢ぎ物の総額が高い人もいるとか何とか」

「わあ! 凄いですねぇ!!」

「ちょ!? それは偏見です!! 私は落ち着いた恋愛をして既に結婚もしています!! ……ま、まあ私の同期には確かにそういう女性もいましたが」



 彼女は咳払いしつつ、そう言った。

 ……あれ? この人、結婚してるって言ってたな。

 それはつまり人妻騎士ということか。

 ……人妻騎士って語彙のパワーが強いな。



「ちょっと、初対面の人を困らせるものではありませんよ」



 俺たちの背後から、そう声を掛けてきたのはイユさんだった。

 その手には旅行用のトランクを下げている。



「ああ、イユさん。おはようございます」

「神官さんも来られましたね。時間ピッタリです。……それでは、出発しましょう」



 人妻騎士、じゃなかった。

 ヒューマンワイファーに声を掛けられ、俺達は馬車に乗り込んだ。



「異世界で初めての旅ですね! 最初のクエストは日帰りでしたし」

「おお、なんかワクワクするなぁ!!」

「旅行に行くんじゃないですけどね」



 俺たちの言葉にイユさんが肩をすくめる。

 この3人は馬車で、騎士の方々は馬に乗っていくことになっている。



「よーし、じゃあ――しゅっぱーつ!!」



 翠の声が馬車内に響き、それを聞いた御者が「はいよー!!」と声を掛けて馬を走らせた。







 この時、俺達はまだ これから襲い掛かる苦難を知る由もなかった。

 ――みたいなモノローグを脳内に流しておくと楽しいので、試しにやってみた俺だった。





今回の女騎士の人妻のヒューマンワイファーさんの名前は「人妻」=「ヒューマンとワイフ」です。

クソみてえなネーミングセンスですね。


なお今話が最新話である場合、下部に評価欄があると思います。

もし、本作品を読んで面白いと思って頂けたなら、ぜひ評価ポイントを入れていただければと思います。

差し出がましいこととは思いますが、作者のやる気に繋がりますので、何卒よろしくお願いします。

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