92章 ちくわぶ
秀一はロザの元を訪ねた。
「何をしているんだ?」
「お料理の研究よ~。」
「珍しいな。なんの料理だ?」
「ちくわぶ料理よ~ん!いっぱい試してみたの!ぜひ見て見て!」
秀一はロザの料理を見てみた。ロザは自信満々に紹介する!
「ちくわぶ天にカレーちくわぶ!チーズちくわぶ!ちくわぶのきゅうり詰め!」
「どれもちくわ料理のパクリやないか~い!!!」
秀一はロザの顔を鉤爪で引っ掻き回した。
「んっ!!私の可愛い顔に傷がああああ!!」
「ちくわぶってちくわと違って味がしないんだからそのまま真似してもダメだろ。」
「そうね…この中でまともに美味しかったのはカレーちくわぶだけだったわ…。」
「ちくわは魚を使ったタンパク質なのに対し、ちくわぶは小麦を使った炭水化物だ。
だからちくわぶのライバルはちくわじゃなく、同じ炭水化物の餅巾着だ。」
「そうね…おでんはご飯に合わないから、ご飯の代わりとして重宝されるのがちくわぶや餅巾着なのよね~」
「ごはんとおでんを一緒に食べる人もいるが、おでんはごはんのおかずにならないって人にオススメなのがちくわぶと餅巾着だな。ちなみの僕はどっちも嫌いだがな。」
「う~ん。新しいレシピを考える必要があるわねえ…。」
数日後…。
「新しいレシピができたわよ~!」
「どれどれ?」
「えびちくわぶ!とうふちくわぶ!まめちくわぶ!ちくわぶパン!」
「結局ちくわの真似か~い!!!」
秀一は電撃でロザを痺れさせた。
「いやあああああん!!!
バレちゃった?よく分かったわね!どれもマイナーだから絶対バレないと思ったのにぃ。」
「僕を舐めるなよ。だいたい、ちくわぶパンなんて炭水化物に炭水化物じゃないか!」
「あら~コロッケパンや焼きそばパンだって炭水化物に炭水化物よ~?」
「だがちくわぶには味がないじゃないか!こんなの炭水化物じゃなく淡水以下物だ!」
「お上手。ふふっ。」
ちくわぶはおでんやおかずだけじゃなく主食やスイーツ・おつまみにもなる優れモノなのだが、ロザにはその良さを引き出せないのであった。
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