89章 抜毛
秀一は懇談会を開き、ひきこもり娘たちの親睦を深めようとしていた。ひきこもり娘たちは長い長い髪を大事そうにクシでとかしていた。
「?!」
秀一は強い妖気に気が付いた。
「我が髪なり。」
秀一と8人のひきこもり娘たちの前に髪の毛の妖怪が突如現れた!
髪の毛の妖怪はひきこもり娘たちに襲い掛かった!
秀一は結界を張り自分の身を守った。
「きゃああああああ!!!」
髪の毛の妖怪はひきこもり娘たちの真っ紅な髪の毛を引っ張り出した!
「あたしの大切な長い赤髪に何するのよ~!」
「やめてやめてやめて~!!!大切な赤髪が全部抜けちゃうわ~!!」
「ここまで伸ばすのに何年かかったと思ってるのよ~!!」
「私の髪がーー!!!!」
「髪だけはやめてええええええええええ!!!!」
「髪だけはやめて!髪だけは!!!」
ひきこもり娘たちは悲鳴を上げた!
しかし、髪の毛の妖怪はひきこもり娘たちの真っ紅な髪の毛を引っ張り続けた。
ブチッ!スッポッ!ズポッ!
ひきこもり娘たちの髪の毛は全部抜け落ちてしまった。
「そっ?!そんなぁ?!!!!!」
「あーたーしーのー髪ーーーっ!!!!!」
「髪があああああああ!!!!髪があああああああ!!!髪があああああああああ!!!」
「あそこまで伸ばすのに何年かかったと思ってるのよぉおおおおお!!!!!」
髪の毛の妖怪は気が晴れたように成仏した。
「そうか。あの妖怪はハゲに悩む人々の髪に対する執着心や嫉妬心が結晶化した事よって具現化された妖怪だったんだな。だから綺麗で豊かな髪の毛を沢山抜いた事で満足して自ら成仏したんだ。」
秀一は説明口調で解説するが、髪の毛が全て抜けてつるっパゲになった美女たちは茫然自失としていて聞いていなかった。
「ああああああん……。」
「私の命より大切な真っ赤な長い髪がああああ!!!!」
「酷いわ酷いわ!!!せっかく生まれてから一度も切らずに大切に伸ばしてきたのにぃ…。」
「酷い…。身長より長いこの赤髪をせっかく大切に伸ばし続けてきたのにぃ……!!」
「あんまりだわ……。ずっと大切に伸ばしてきた髪の毛なのに…。」
「配するな。抜けた髪は植え直せば良い。切られた髪は元に戻せないが、抜けた髪なら元に戻せる。」
秀一は美女たちの毛穴に抜けてしまった赤髪を全て植え直した。
「神主さんこんな事もできるのね。」
「本当何でもできるのね!」
「そんなことないさ。」
「わたくし達からのお礼ですわ~!」
「お風呂場に来てください!」
赤髪ロングへアの美女たちは大浴場の風呂一面に自慢の赤髪を敷き詰めた。
「赤髪風呂ですわ~!」
秀一は赤髪風呂にダイブした。
「んほぉ~!!!」
赤髪風呂は秀一にとって夢のような光景だった。