85章 エコノミー症候群
秀一はローサの部屋を訪ねた。
「いらっしゃい、秀一くん。」
「うん。実はお前に伝えたいことがある。」
「何かしら?」
「実は今度一人で旅行に行ってみようかと考えて居るんだ。」
「ええ!?どこへ!?」
「まだ詳しくは決めていないが外国だ。」
「ずるいわ!あたしたちも連れて行って!」
「飛行機で行くんだぞ?お前たちはついてこれるのか?」
「そこは秀一くんの超能力でなんとかならない?」
「う~ん。難しいなぁ。
それに長時間移動するからエコノミー症候群も心配だ。」
「エコノミー症候群?ならファーストクラスで行けばいいんじゃない?」
「エコノミー症候群はファーストクラスでもなるぞ?」
「何ですって!?」
「エコノミー症候群は長時間同じ姿勢でいるとなる。だからファーストクラスでもビジネスクラスでも起こる場合があるんだ。」
「それじゃあファーストクラス症候群やビジネスクラス症候群と呼ぶべきじゃない!」
「そもそも長時間同じ姿勢でいると車でも電車でもなる事がある。」
「じゃあなんでエコノミークラス症候群って言うの?」
「多分、五十肩の事を四十肩と呼ぶことがあるのと同じかな。大人の都合でそう呼ぶ。」
「とにかくエコノミークラスでも同じ体勢でいなければ良いのね。」
「そういう事だ。」
「ちょっと難しそうね…。」
「そんな事はない。気を付けていれば大丈夫だ。」
「あたしは待ってるからお土産よろしくねっっっっ!」
「諦めるのが早すぎるだろ~~!!!」
秀一はローサの足を掴み、ローサを何度も振り下ろした。ローサは何度も何度も顔面から地面に激突させられた。
「いった~い!あたしの美貌が壊されたぁ~ん!!!」
「まぁパスポートがいる海外旅行にお前たちを連れて行くの難しいだろうな。」
秀一はそそくさと帰って行った。