7章 大晦日
秀一とひきこもり少女たちは大掃除を始めていた。引きこもり娘たちは自堕落な生活を送っておりたまにしか掃除していないため、この日ばかりは真剣に大掃除に取り掛かる。
「ローザとロザとチェリーは床掃除をたのむ。」
「「「分かったわ!」」」
ロザ・ローザ・チェリーはぞうきんを絞り、四つん這いになって床掃除を始めた。
「何をやっているんだ?」
「はい?」
「なにって床掃除を…。」
「足で拭けばいいじゃないか。」
秀一は裸足になり両足にぞうきんを挟んでスケートのように滑り出した。
「こうすればあっという間に終わるぞ~。」
「お行儀がわるいわ…。」
「やっぱり床は手でこすらないと…。」
「そうよね…。」
「そうか…。」
次に秀一はローサ・ロサ・ジェシーの元へ向かった。
「じゃあ、窓の吹き掃除を頼む。」
「分かったわ。」
「分かりましたわ。」
「分かりました。」
ローサ・ロサ・ジェシーはぞうきんを絞り、窓拭きをはじめた。
「何をやっているんだ?」
「「「え?」」」
「いちいち擦らなくてもこうやって吹けばいいじゃないか。フー!」
秀一は窓に息を吹きかけた。
「ほらみろ、これで埃が吹き飛んだ。」
「窓はちゃんとごしごし拭かないとだめですわ。」
「そうよ。」
「私もそう思います……。」
「そうか…。」
次に秀一はアキリサ・イチゴの元へ向かった。
「お前たちには風呂掃除を頼む。」
「「分かったわ!」」
アキリサ・イチゴはスポンジに洗剤を付けてごしごし擦った。
「何をやっているんだ!?」
「何って…」
「お風呂掃除を…。」
「洗剤なんて付ける必要ないじゃないか。お風呂は石鹸やシャンプー・洗顔料で毎日流されているんだから、水洗いだけで十分!」
「えぇ…お風呂はちゃんと洗剤で洗わないとだめよ~。」
「だめよ~だめだめぇ!」
「そうか…」
秀一は自分も掃き掃除をしながら一息ついた。
(ひきこもり娘たちも少しは常識があるな。)
秀一はわざと非常識な振りをしてカマを掛けていたのであった。そこにロザとチェリーが現れた。
「ローザの姿が見えないの。」
「掃除をやっている途中でいきなりいなくなったのよ。」
「あの女…さぼっているのか?!」
「違うわ!」
そこにローザが現れた。
「年越しそばを作ってたのよ。今から作っておかないと間に合わないと思って!勿論全員分あるわ!」
「気が利くじゃないか。一旦一休みをして年越しそばを食べよう。」
秀一は全員を集めた。
「「「「「「「「「いただきまーす!!」」」」」」」」」
全員がそばを口にした。すると赤い面が一本入っているの気が付いた。
「ぶっ!」
「これって!」
「髪の毛じゃない!」
「そうよ~!私の自慢の赤い髪の毛を混ぜてみたの!」
「こんなの食べられないわよ!」
「ふざけないでよ!」
「ねえ、お兄ちゃん!」
「うんん。中々美味しいじゃないか。」
「え!?」
美女ったちは声をそろえて驚いた。
「お前たちの髪の毛は食べたくなるくらいに美しいと思っていたが本当に美味しいな。」
赤髪フェチの秀一にはこの赤髪入りそばはごちそうだった。