76章 金運
秀一はイチゴの元を訪ねた。
「神主さん!助けてぇ~!!」
「どうしたんだイチゴ!?」
「蛇ヘビへびぃ~!蛇が出たの!!!」
「なぁ~にぃ~!?」
そこには小さい蛇が居た。
「なんだ、毒蛇じゃないから大丈夫だよ。」
「大丈夫じゃないわ~!なんとかしてぇ~!」
「毒蛇じゃないから噛まれても平気だ。蛇のあごの力なんてたかが知れているからな。首さえ絞められなければ危険性はない。」
「危険よ~!!」
「例え首を絞められたとしても、人間を絞殺するには3分くらいはかかるし、首を絞められて意識が飛ぶまでには30秒くらいはあるから仮に一人でもこの程度の大きさの蛇なら自力で引き離せるんじゃないか?この程度の大きさの蛇なら人間の力の前では敵ではない。」
「そんな理論的な話は良いから!はやくこの蛇をどっかに追い払って~!」
「ほいほい。」
秀一は蛇を外に逃がしてあげた。
「はぁ~怖かったわ。」
「怖がりすぎだよ。」
「!?
きゃあああああああああああああああ!!!」
「今度はどうした?」
「蛇ぃい!蛇の抜け殻ああああああああ!!」
部屋の隅に蛇が脱皮した抜け殻がった。
「抜け殻ぐらいでいちいち騒ぐな!!!」
秀一はイチゴをはり倒し、靴でイチゴの顔を何度も何度も踏みつけた。
「アーン!
だって気持ち悪いんですもの!」
「蛇の抜け柄は縁起が良いんだぞ。金運が上がるお守りにもなる。」
「そんなことはどうでもいいから早く捨てて~!!」
「そんな勿体ない事ができるか!財布に入れておくとご利益があるだぞ~?」
秀一は財布の中から大きな蛇の抜け殻を取り出した!
「きゃああああああああああああああああ!!!」
イチゴは秀一の財布を振り払った!
「何するんだこの女郎!」
秀一はイチゴの顔を満遍なく引っ掻き回した。
「だって!だって!だってぇ…。」
イチゴは失神してしまった。
「まったく蛇に首を絞められたわけでもないのに失神してしまうとは…。」
秀一がひきこもり娘達を養ってもお金に困らないのは実はこの蛇の抜け殻のお陰なのだ。