68章 ロザのお料理
秀一はロザの元を訪ねた。
「いらっしゃい、神主さん。」
「また小説を読んでいたのか。」
「好きなんですもの。」
「たまには他の事をしたらどうだ?」
「他の事って?」
「例えば、料理とか…。」
「料理ってどんな料理がいいかしら?」
「七輪を使ってみたらどうだ?」
「七輪って自殺する用の?」
「違うよ!!!!」
秀一は高温になっているアイロンをロザの顔に押し当てて突っ込んだ。
「熱熱熱熱熱っ!!!私の美しい顔がぁん!!!」
「だいたい現在製造されている七輪は練炭を使う事を禁止されているんだぞ。」
「へえ。知らなかったわ。七輪って練炭を焚くものだとばかり…。」
「もともと自殺用じゃないつーの!」
「七輪は使った事がないし、なんか危険な感じだから普通のガスコンロが良いわ。」
「七輪はちゃんと使えば安全なんだが…。お前に使わせると危なっかしいな、確かに。」
「じゃあ早速ガスコンロで作ってみるわね!」
ロザは秀一が用意した材料を使い、ガスコンロで肉ジャガを作り始めた。
「こんな感じかしら?ちょっと味見して見て!」
ロザはおたまで肉ジャガのスープを掬い小鉢に移した。
「僕は、猫舌なんだ。冷ましてからでないと味見できない。」
「だったら、氷を入れれば良いのよ!すぐ冷めるわよ!」
ロザは小鉢に氷を入れた。
「味薄まっちゃうだろ!!!」
秀一はロザの高温のアイロンでロザの顔をアイロンがけして突っ込んだ。
「熱い!熱い!!熱い!!熱い!!熱い!!!」
「小じわを伸ばすには打ってつけだろ?」
「小じわなんてないわよおおお!!!」
「氷なんか居れたら味が変っちゃうだろう。味見なんて少量だから小鉢を回して小鉢に熱を吸収させたりしながら、ふーふーさませばすぐ冷める。」
「そうなのね…。じゃあ改めて。」
秀一はさっそく味見をしてみた。
「お味はいかが?」
「なかなか美味しいじゃないか。」
「本当!?」
ロザも味見をしてみた。
「本当だわ!」
「カエルの出しがよく出ている。」
「エ?カエル?」
「今回用意したお肉はカエルの肉だ。安かったから。」
「うぇ…!?」
ロザは気絶してしまった。
「良い子の皆、好き嫌いしちゃいかんぞ。カエルでもネズミでもタコでもクジラでもサメでもウサギでも何でも食べなくちゃいかん!」