59章 ナルシスト
秀一はローザの元を訪ねた。
「いらっしゃい神主さん。」
「うん。」
「今歌とダンスの練習をしてたのよ!」
「まだアイドルを目指しているのか。」
「当然よ!」
「なぜそこまでアイドルに拘る。」
「なぜなら。そうよ私が美しいから!!!」
「うぬぼれるな!!!」
秀一はローザの顔に泥団子を投げつけた。ローザの顔は泥だらけになった。
「いやあん!毛穴が!毛穴が!!」
ローザは必死に顔を洗った。
「随分と美貌に自信があるんだな。」
「だって美しい顔立ちでしょう?」
「それは否定しないが…。」
「そして、私の髪の毛も美しすぎるでしょう。」
「ああ。」
「顔はアイドルの命!そしてこの赤髪は私の命よりも大切なのよ!この美しすぎる髪と美しい顔を世の中の役に立てたいの!」
「でも一日4時間しか働きたくないんだろ?」
「当然よ!」
「偉そうに言うな!」
秀一はローザの顔を引っ掻き回し、魔法の壺から生きた蛸を取り出してローザの顔に墨を吹きかけた。 ローザの顔は傷だらけになり、真っ黒に染まった。
「やああん!!パーフェクションが損なわれたわ!私の美貌が台無しよ~!」
ローザは顔を必死に洗い墨を落とした。そして鏡を入念に見つめた。
「美しいという言葉は私の為にあるんだわ!」
「ナルシストめ。その自信はどこから湧いてくるんだ。」
「私の髪と顔からよ!
美しすぎる……!なんて美しすぎるのかしら!」
ローザは鏡を見てうっとりした。
「お前気持ち悪いな…。」
「どこがよ!こんなに美しすぎる外見なのに!」
「顔じゃない!性格だよ!」
秀一はローザの顔をさらに引っ掻き回して傷だらけにし、毬が付いた岩球をローザの顔面に投げつけた。さらに、ローザの顔を蹴り飛ばし顔面から鉄壁に激突させた。そして墨汁をローザの顔に塗りつけて真っ黒にした。
「いやああああああああん!顔は止めてって言ってるのにぃ!!!」
「お前のようなナルシストを見ていると顔を痛めつけたくなる。」
「この美貌を壊した罪はブラックホールよりも重いわよ~!!!」
しかし、ナルシストだがマゾ気質があるローザは内心どこか嬉しいのであった。