4章 紅葉狩り
秀一と引きこもり娘たちはお寺の庭にある川で紅葉狩りを始めていた。紅葉の季節はもう過ぎていたが、秀一の妖力を使って一時的に紅葉を復活させたのである。
「きれ~い!」
「やっぱり赤い色は素敵ですわ!」
「紅葉は私の髪色とは大分違う赤茶色だけど綺麗だわ。」
ひきこもり美女たちは紅葉を見て燥いでいた。
「やれやれ。もうじき冬なのに紅葉狩りをすることになるとはな…。これも僕の妖…超能力のおかげだな。」
美女たちは紅葉狩りを満喫していた。しかし、そこに不穏な影が迫っていた。牛の悪霊である。
「モオオオオオオオオ!!!!」
「きゃああ!?なにあれ!?牛の妖怪?!」
「妖怪じゃない!あれは悪霊だ!しかもかなり霊力が強いぞ!だからお前たちにも見える。」
(こんな強力な悪霊が来るとは…赤い髪は不幸を呼び寄せるという迷信があるが……。)
「モオオオオオオオオ!!!!」
牛の悪霊は美女たちの赤い髪に向かって次々と突進した。美女たちは次々にふっ飛ばされ顔面から岩に激突してずり落ちた。
「私の美貌があああ!!!」
「アイドルは顔が命なのよ~~!!!」
「あたしの顔があああああ!!!」
「私の美肌があああ!!コラーゲンがあああ!!!」
「やだぁ~!なんて事するのよ!!!」」
「んもおおおおおおお!!!」
「モオオオオオオオオ!!!!」
牛の悪霊は美女たちの髪の赤色を見て興奮しているようだった。牛は赤色を見て興奮する事は無いが、この悪霊は赤色を見て興奮する習性があるようだった。
(くそう…紅葉を復活させるのに妖力を使いすぎて悪霊を退治できない…!)
牛の悪霊は美女たちの赤い髪を見て興奮し、赤髪をめがけて美女たちに何度も突進を繰り返した。そのたびに美女たちはふっ飛ばされ顔面から岩に激突する。
「もうやめてええええええええ!!」
「もういや~!突進されるたびに岩に激突したんじゃ私の美貌もその内…。」
「私の顔があ!つやつやすべすべのお肌がぁ!!」
「私の生まれたての赤ちゃんのような美肌がボロボロよ~!」
(くそう…変身するしかないのか…!)
その時、イチゴが悪霊と対峙した。
「私に任せて!」
「モオオオオオオオオ!!!!」
悪霊はイチゴの赤い髪の毛めがけて突進した。しかし、イチゴは赤髪を振り軽やかに回避した。しかし、牛はイチゴの赤髪めがけて何度も突進してくる。だが、イチゴは赤い髪を闘牛のマントのように使い悪霊の攻撃を受け流してしまう。悪霊はさらに興奮し、イチゴの髪の毛に突進を繰り返した。その時、イチゴはくしを取り出して悪霊の首に突き刺した!
「あれは僕の超能力を込めて具現化させたくし!持ってきていたのか!」
牛の悪霊はもがき苦しみながら成仏していった。
「すごいじゃないか!闘牛士みたいだったぞ!」
「うふふふふ!もっと褒めていいのよ!」
他の美女たちは助かって安堵する反面悔しそうな顔をするのだった。
(私だってあれくらいできたのに!)
(私も赤い髪を使えば闘牛の真似くらいできたわ!)
美女たちの友好は深まる事はないのであった。