46章 祭壇生える
秀一はロサの元を訪ねた。
「いらっしゃいませ。神主さま。」
「ん?」
「どうかなさいましたの?」
「妖気を感じる…。」
「わたくしはいつも陽気ですわ!」
「そのヨウキじゃない!妖怪の気だ。
ん?」
秀一は部屋の隅にある大きなトマトを見つけた。
「あれはなんだ!?」
「トマトですわ!庭に落ちてましたの。真っ赤で綺麗だから部屋に飾ったんですわ。」
「あのトマトが妖怪だ!!!」
秀一がそう言うと妖怪トマトは飛び上がった。そして妖怪トマトは暴れ出した!
「いやん!」
妖怪トマトはロサの顔面に激突した!
「大丈夫かロサ!?」
「いたた…大丈夫ですわ…。」
「ロサ…!どうしたその肩!」
ロサの肩から建物が生えてきていた!!!
「いゃあああ!!わたくしの肩から祭壇が生えてきてますわぁ~~!!!」
「トマトの呪いか!」
妖怪トマトの妖力はさらに強くなっていく。
「きゃあ!神主さまの肩からも祭壇が生えてきてますわ!」
「しまった!いつの間に!!!」
秀一の肩にも建物が映えていた。
「これは祭壇と言うよりも神殿!?」
「どっちでもいいですわ~何とかなさって~!!」
妖怪トマトはまたロサの顔面に激突した。妖怪トマトは何度も何度もロサの顔面に激突した。
「痛い!痛い!痛い!痛い!
痛いですわ~!」
「ロサーーー!!!」
「こうなったら塩ですわ!」
「そんなものじゃ駄目だ!」
ロサは妖怪トマトに塩を撒いた。しかし、妖怪トマトには全く通じない。
「お前如きがトマトに勝てると思うな!」
秀一はロサを叱責した。
「こうなったらカルタだ!カルタ!」
秀一はカルタを始めた。
「犬も歩けば…!」
秀一はカルタを拾いまくった。
「お楽しみはこれからだ!」
秀一はさらに打ち上げ花火を上げた。
ドーン!パーン!パーン!
「綺麗ですわ~!幸せな気持ちになるぅ~!」
それを見たトマトの妖怪は笑顔になった!
「これでトマトの中の呪いも消えただろう。」
秀一が言った通り、妖怪トマトは普通のトマトに戻った。秀一とロサの肩から生えていた建物も消えた。
「さっきお前が撒いた塩が効いていてちょうど食べごろだ。食べたらどうだ?」
「わたくし…。
赤い食べ物は好きですけれど…。
トマトだけは食べられませんの!」
「好き嫌いするなあーーー!!!!」
秀一はロサを電撃で痺れさせた。
「いやあああ!!!!
神主さま、代わりに食べて下さい!」
「僕!?仕方がないなぁ。」
秀一は渋々トマトを食べた。
「ご馳走様。」
「お粗末様でした。」
秀一はそのまま自分の部屋に戻って行った。
(うぉえぇ……。)
秀一もトマトが嫌いなのであった。