43章 野望
秀一はローサの元を訪ねた。
「いらっしゃい!秀一君!」
「うん。」
「ミリ飯作ってみたの!食べて!」
「作ってみたって水かけるだけじゃないか?」
「いいから食べてみて!」
「いただきまーす…。
……。うん。大丈夫。」
「中々の味でしょう?」
「こんなもんで遊んでばかり居ないで少しは将来の夢とかないのか?」
「あるわ!大きい夢よ!」
「おお!」
「世界征服よ!」
「アホかーーーー!!!!!!」
秀一はローサの顔にいがぐりを沢山投げつけた。いががローサの顔に刺さった。
「いた~いい!」
「真面目に考えろ!世界征服とかどっかの学級王かよ!」
「真面目よ!全世界を統一したらそれは素敵な事だと思わない!あたしたち皆同じ地球人よ!」
「世界を統一するのと世界を征服するのは違うだろう。世界を征服するという事は地球を独裁国にするという事だ。」
「あたしのような者が世界を治めれば、きっと平和な世界になるわ。」
「世界がお前レベルに統一されたらこの世の終わりだぞ!」
「酷いわ!あたしほど世界の指導者に向いてる人間もいないのにぃ~。」
「世界を征服したらどうするつもりだ。」
「戦争・紛争は一切禁止にし、戦争・紛争を無くすわ!そして、人種差別も、食文化差別も、宗教弾圧・宗教差別も無くすわ!さらに銃と違法薬物・麻薬の使用は一切禁止し、銃と麻薬・違法薬物は全て根絶よ!!そして…」
「そして?」
「働かない者は逮捕するわ!」
「そう思っているなら働け!!」
秀一は洗面器並みの大きさの灰皿にテキーラを入れてローサの顔をテキーラにうずめさせた。
ブクブクブク!
「あぷぷ、苦しい~!」
「全く…。」
「アルコールが顔に染みるわ~。」
「途中までは良い話だったのに…。働けない理由がある人だっていっぱいいるんだぞ。」
「そうよね。
あたしがそうよね…。だからね?」
「うん?」
「あたしの面倒見て!」
「ううっ!」
秀一は言葉に困るのであった。