42章 間引き
秀一はアキリサの所を訪ねた。
「お帰りなさい。お兄ちゃん。」
「うん。ただいま。」
「今日は変わったたこ焼きを作ってみたの!冷ましてあるから、食べてみて~!」
「うん。頂きま~す!」
パクッ
「うん!?これはたこ焼きソースじゃない!チョコソースだ!」
「スイーツのたこ焼きを作ってみたの!中身はメロンよ~!」
「なかなか美味しいじゃないか。このメロン焼き。」
「メロンは一つの木から一つしかとれないんですものね~。人間と一緒よね。不要な人間は間引きされて、一部の人間だけが肥えたメロンになれるの。アキリサは間引きされるメロンと同じ運命なのよ…。アキリサは不要な存在なんだわ…。」
「そんな事ないさ。この漬物を食べて見てくれ。」
「いただきまーす!」
アムッ!
「きゅうりの漬物?」
「摘果メロンの漬物だ。間引きされるメロンにもちゃんと使い道がある。だからお前も心配するな。」
「お兄ちゃん…。
アキリサの使い道って何かしら?」
「ぐっ…。
それは………………。
自分で見つけろ。」
「アキリサの使い道は……。
お兄ちゃんに甘えること~!!!」
アキリサは秀一に抱き着きキスをした。
「やめろ!!!」
秀一はアキリサを電撃で痺れさせサボテンを顔面に投げつけた。
「いた~いい!!!」
アキリサの顔はサボテンの棘だらけになった。
「アキリサは万人から必要とされなくても良いの。お兄ちゃんからだけ必要とされていれば良いわ。」
「ああ、僕はお前を必要としているよ。」
「それだけで十分。ふふふ。」
「やれやれ。」