33章 自分をアイドルだと思いこんでいる一般人
「私の名前はローザ!みんなのアイドルなの!」
ローザはかつ丼を作っていた。アイドルは料理が上手なのが必須だと思っているため、色々な料理を作っている。
「アイドルたるもの料理は上手でないとね!」
ローザはかつ丼を作り終えた。
ほわ~
「できたわ!さすがアイドル!!早くて上手だわ!だって私アイドルなんですもの!」
ローザは自己暗示の如く喋った。
「私はアイドルなのよ。誰が何を言うとアイドルなのよ!」
ローザは完全に自分をアイドルだと思いこんでいた。
「アイドルらしく上品に食べるわ!
いただきまーす!」
ローザはかつ丼の湯気を鼻で吸った。
「まずは臭いから!
うーん、この臭いたまらないわ~!
甘い醤油の臭いが食欲をそそるわ!」
そしてローザは一口たべた。
「はふはふ」
(美味しいーーー!!!)
「はふはふ」
ザクッ!
ローザはかつ丼の3分の2を食べ終えた。
(しまったわ!調子に乗って作りすぎたわ!まだ3分の1も残ってるのに満腹だわ…。
でも…。
乙女空条ローザ!!作ったものは残さず食べる!!!)
ローザはかつ丼を全部食べ終えた。
「アイドルとは思えない食欲ぶりだな。」
「神主さん!」
「作りすぎていたから残すんじゃないかと思って残飯を食べに来たがその必要は無かったようだな。アイドルよりフードファイターの方が向いているんじゃないか?ははは。」
「…………。」
(私はアイドルなのよ!
何度でも言うわ!
誰が何を言うとアイドルなのよ!)
ローザは冷や汗をかき顔を引きつらせながら、苦し紛れに自己暗示をかけた。