31章 しゃっくり
秀一はローザの元を訪ねた。
「いらっしゃい、神主さん。ひっく!」
「しゃっくりか?」
「そうなの。今朝から止まらないの。ひっく!」
「1分ほど息を止めるとしゃっくりはとまるらしいぞ。」
「そう?」
ローザは息を止めた。
「ひっく!」
「息を止めている間にしゃっくりしちゃ駄目だって。」
「そんなこと言われても!ひっく!」
「じゃあ別の方法を試してみるか。
水を一気に飲んでもしゃっくりはとまるよ。」
「そ~う?」
ローザは水を一気飲みした。
「ひっく!ひっく!」
「だめかー。まあ放っておけば時期止まるだろう。」
「そんな事言わないで!今朝からずっと止まらなくて困っているんだから!」
「そうか?
………。
じゃあ髪を切るか。髪を切ってもしゃっくりは止まるらしいぞ。」
秀一は大きなハサミを取り出した。
「きゃああああああああ!!!やめてえええ!!!」
「いや、切る。ベリーショートにしてやる!」
秀一はハサミでローザの髪の毛に切りかかった。
チョキチョキチョキ!
「いやあああああ!!!生まれた時からただの一度も切ることなく伸ばし続けてる私の誇りの赤い髪がああああ!!!」
「どうだ?!しゃっくりは止まったか!」
「え?」
「びっくりしてもしゃっくりは止まるらしいぞ。」
秀一が取り出したのはゴムでできたおもちゃのハサミだった。刃先が太くこれでは髪の毛一本も切れない。
「もう~ひどいわ~!」
「ははは。すまんすまん!でもしゃっくりは止まっただろう。」
「そうね…ひっく!」
「まだ駄目だったかー!!」
「ねえ!しゃっくりを止めてちょうだい!お願い!」
「仕方が無いな。荒療治だが仕方あるまい。」
秀一はローザの顔を引っ掻き回した。そしてローザの顔を何度も何度も蹴った。
「痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!」
「苦痛を与えてもしゃっくりは止まると聞いた事があるぞ!我慢しろ!」
秀一はローザの顔を100連続往復ビンタし、その後グーで顔面を100回殴った。
「いたーーーーーーーいい!!!ひっく!」
「我慢しろ!」
秀一はローザの顔に鉄球と丸い岩を交互にぶつけるのを100回繰り返した。
「痛い痛い痛い!ひっく!痛い痛い痛い!ひっく!」
「とまれえええええええええ!!!!」
秀一はローザを外に放り投げた!ローザは顔面から岩に激突し岩を削るように擦り落ちた。秀一はこれも100回繰り返した。
「もうだめえええ!!!」
ローザは気絶してしまった。
「ひっく!」
気絶してもなおしゃっくりは止まらないのであった。
次の日。
「いらっしゃい神主さん!」
「しゃっくりはどうなった?」
「知らない内に止まってたの。」
「だから言ったじゃないか。放っておけば止まるって。」
「そうね。うふふ!ひっく!」
ローザはまたしゃっくりを始めた。
「また始まったか!」
「ひっく!気にしないようにして放っておくわ!ひっく!」
しかし、このしゃっくりは2週間ほど続くのであった。