26章 カードゲーム小説
秀一はロザの元を訪れた
「いらっしゃい!新しい小説を書いてみたわよ!」
「へえどんな小説だ?」
「カードゲームの小説よ。」
「カードゲームで世界を救う小説か?」
「そうよ。」
「なぜカードゲームで世界を救えるんだ?」
「それを言っちゃあ、お終いよ。」
「知ってた。」
「さっそく読んでみて!」
秀一は小説を読み始めた。
「………。
物語の導入が丸々使ってカードゲームのルール説明か。」
「オリジナルのカードゲームですもの!ルールが理解できてないと面白くないでしょう?」
「もう少しいい方法は無い物か……。」
秀一はさらに読み進めていく。
「………。
カードのステータス表示の羅列ばっかりで読みにくいな。」
「そこはカード毎に挿絵でもあればいいと思うのだけれど…。」
「カード1枚1枚全部に挿絵付けるなて無理だろ。」
「文章量が少ないからカード全部に挿絵を付けたらちょうどよくなると思うわ。」
「ていうか…カードのステータスの羅列って読んでいて面白くない。
アイテムのステータスの羅列みたいだ。」
「アイテムのステータスの羅列は自己満足だけれど、カードのステ―タスの表示はカードゲームでは必須よ。」
「読みにくさではどっちも一緒だ。」
「カードの効果は台詞だけで説明した方が良いかしら?」
「それはそれで分かりにくいと思う。カードゲームは小説に向かないじゃないか?」
「それをいっちゃあ、おしまいよ~。」
「なぜこういうニッチャーなジャンルばかり挑戦しようとするんだ。やっぱりまずは王道ジャンルで挑戦した方が良い。競争率の高さとか無視してまずは人気ジャンルを書いてみて書きなれるべきだ。」
「人気ジャンルは読み過ぎで新しいアイディアなんて出てこないわ。」
「ぞうきんを絞るようにアイディアを絞り出してみろ。」
「こう?」
ロザはぞうきんを絞った。
「そういう意味じゃなーーい!!!」
秀一はロザの顔に飛び蹴りした。
「ぎゃふん!」
「全く……。」
「カードゲーム作品は小説としてはニッチャーなジャンルだけどアニメやゲームなんかでは人気あるジャンルなのよ~。」
「知ってる。」
「小説でも人気ジャンルとして確立できる可能性はあるわ。」
「確かにな。でもお前には無理だ。」
「そんなの分からないでしょう。」
「導入はそのゲームのルールを知りたいと思わせる魅力が必要だ。ただルールだけ書いても意味が無い。そもそもだな…。」
秀一の説教はしばらく続くのであった。