24章 カードゲーム実況
秀一はチェリーの元を訪ねた。
「いらっしゃい!神主さん!」
「うん。」
「今日はまた新しいゲームの実況をしてみようと思うの!」
「前回の動画が全然伸びなかったのに懲りないね。どんなゲームだ?」
「これよ!『チケットモンスタ-ズ』チケットのモンスター!つまりカードのモンスターよ。」
「カードのモンスター?」
「カードゲームのゲームなの!」
「カードゲームって対人戦するから面白いんじゃないのか。AIとやったって面白くないだろう。」
「それが結構面白のよ!とにかくやってみましょう!」
秀一とチェリーはゲームの実況を始めた。
「ハロ―!ニコチューブ!」
「どうも、こんにちは。」
「チェリキンと秀坊です!今回はカードゲームのゲーム実況を始めたいと思いま~す。」
秀一はチュートリアルを終えてゲームを開始した。
「チュートリアルでルールは大体覚えた。アクションゲームみたいにゲームの操作性要素が必要とされないのは良いな。」
「あなた、操作下手くそだものね。」
「そうさ!
……って!余計なお世話だ!」
秀一はチェリーの顔を引っ掻き回した。
「いたたたた。」
「しかし、ごく自然な流れでカードゲームを始めるよな。なぜかカードゲーム勝負に負けたら大人しくいう事聞くし。」
「そういうものなの!カードゲームの勝敗で事態が動かなかったらカードゲームする意味が無いでしょう。」
「違いない。」
秀一はゲームを進めた。
「強すぎないかこのキャラ。手札が初手から良すぎるだろ!」
「それはきっと『積み込み』ね。ゲームソフトならではだわ。」
「『積み込み?』」
「あらかじめ初手に何を引くか決まってたり、ドローするカードが固定されてたりする事よ。」
「それってズルじゃないか!」
「強い相手を用意するにはこういうのも必要なの。だって相手はAIですもの。こうしなきゃ強くできないわ。」
「くそ!負けた!だが初手が固定されているなら…対策も可能という事だ!」
「そういう事ね。」
秀一はさらにゲームを進めていく。
「このカード強すぎないか?このキャラが使うカードが強すぎる!」
「強敵を用意する手っ取り早い方法は強いカードを使わせる事よ。いわゆる『ぶっ壊れ』ね。」
「誰がどう見てもぶっ壊れ。ゲームバランスを狂わせかねない強カードだ!」
「AIで強い敵を用意するのはこういうのも必要なのよ。」
秀一はさらにゲームを進めていく。
「しかし、カードゲームで世界を救えるっておかしい気がするなぁ。」
「それを言っちゃあ、おしまいよ!」
「ああ!お終いだ!」
秀一はラスボスを倒した。
「お、ゲームクリア後も遊べるんだな。」
「ゲーム終了後も今まで出てきたキャラ達と対戦できるのよ。」
「おお、いままで戦えなった始まりの村の村長と戦えるぞ!
………………………………………………。
始まりの村の村長強すぎないか?これならラスボスより強いぞ!」
「ゲーム終了後にラスボスより強いキャラが出てくるのもカードゲームゲームのお約束よ。」
「あーあ、負けちゃったよ。」
「他のキャラを倒してもっと強いカードを集める必要があるわね。」
「まぁ、取りあ会えず今回はこれで終わりで良いだろう。」
「お疲れさまでした!」
「ご視聴ありがとうございました。」
「あら?」
「どうした?」
「マイクが入ってなかったわ。」
「何!?」
「もう一回やり直しません?」
「アホか!!!」
秀一はチェリーの顔を蹴り飛ばした。
仕方が無いのでただのプレイ動画としてアップロードしたが結果はお察しだった。