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ひきこもり娘たちの更生員4  作者: 日本のスターリン
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228章 都知事選

秀一はイチゴの元を尋ねた。


「何をやっているんだ?」

「あら~。いらっしゃい!今、政見放送の練習をしようとしていたところなの!」

「政見放送?なぜだ?」

「30歳になったら都知事選に立候補しようと思うの!」

「そりゃ、殊勝な心掛けだ。『少年よ、大志を抱け』ではなく、『少年も、少女も、大志を抱け』が現代社会だからな。」

「女性初の都知事を目指してるの!」

「い~や!女性初の都知事はもうとっくに誕生しているから!そんなことも知らないで都知事になろうとしているんかーい!!!」


 秀一はイチゴの顔を引っ搔き回して突っ込んだ。


「あああん!私のセクシーな顔が台無しだわ~ん!」

「大池薔薇子さんが女性初の都知事だぞ。よ~く覚えておけ。」

「一位でも百合子、二位でも百合子。」

「で?どんな公約を掲げているんだ?」

「今、政見放送で見せるわ。」


 イチゴは政見放送を始めた。


「東京都知事候補、寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処藪柑子の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助党代表。鷲頭イチゴ、永遠の30歳。」


 そして、イチゴの政見放送が始まった。


「ロバエビ稲妻、ロバエビ稲妻、ロバエビ稲妻、ただいまマイクのテスト中。皆様、こんにちは!今緊急で動画回してます。鷲頭イチゴです!」


 イチゴは、掴みは、ばっちりだと思った。


「今日ご覧の皆さんだけに、この国のトップシークレットをお教えいたします!手話通訳さん、他の人に話しちゃだめですよ!この国の誰も知らない重大な秘密。それは…。」


しーん。


「孔明党は尊師学会と繋がってますよ~。」

「知っとるわ~~い!!」


 秀一はイチゴの顔面に鉄球を投げつけた。


「そんなん日本国民全員が知っているぞ~い!」

「いった~い!」

「まぁ、いい。続けてくれ。」

「次も誰も知らない国家機密なんですけれど、なんと孔明党と慈雄民衆党(じゆうみんしゅうとう)も繋がってるんですよ!」

「それも知っとるわ~い!!!」


 秀一はイチゴを投げ飛ばし、顔面から岩に激突させた。


「あ~ん!!!私の美貌がぁ~ん!」

「まぁ、いい。続けてくれ」


 イチゴは突然脱ぎだし、水着姿になった。


「セクシーでしょう?セクシーな私の政権放送見てね!こんなにセクシーで面白い女他にいないでしょう?」

「いや、いや、いや、僕ら、何を見せられているんだ!?」

「今、セクシーだと思った?カメラの前のあなた!そう、あなたよ!そんな目で見つめないで!セクシーだからって、だめよ!」

「いや、セクシーセクシー、うるさいな!子泉伸二かよ!」


 秀一はイチゴの顔面を蹴り飛ばした。


「顔が~!顔が~!セクシーな顔が~!!!」

「で、結局、公約は何なんだよ!」

「公約よりも、面白い政見放送で注目を集める方が大事だと思うの!」

「いや、売名か~い!!!!」

 秀一はイチゴの顔面を踏みつけた。


「ぎゃふん!」

「この分じゃ、供託金は没収だな。」


 都知事選泡沫候補多すぎ問題。

 誰か解決してくれる都知事はいないのか。

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