224章 週刊 文秋
秀一はロサの部屋を尋ねた。
「何をやっているんだ?」
「お笑い芸人を目指そうと志して練習してましたの!」
「それは殊勝な心掛けだな。」
「お笑い芸人になったら何が一番大変だと思いますの?」
「そりゃあやはり週刊誌、文秋砲だな。」
「事実無根なので闘いまーす、ですの!」
「週刊文秋に突撃取材されたらなんと応える?」
「『とうとうばれてしまいしたのー!』って開き直りますわ。」
「芸人と言えば枕営業なんかも大変だぞ!」
「芸能界の闇は深いですものね。」
「芸能界はオフホワイトな界隈だ。よーし。枕営業を要求された時の練習をしよう。」
「望むところですわよ!」
「VIPが来るからホテルに飲みに行かないか?」
「VIPって南乃タケシさんですの?」
「それは言い過ぎ。そこまでではない。」
「もし断ったらどうなりますの?」
「この辺りを歩けなくなるかも。」
「仕方がありませんわね。行きますわ。」
「ちゃ~!ほな、恒例のVIP登場タイムでーす!」
「まぁ!VIPってアップタウンの梅本ヒサシさんでしたのね!」
「俺の子ども産めや!」
「お仕事のためには仕方がないですわね!」
「いや断らんのかーい!」
秀一はロザの顔を殴りつけた。
「いった~い~ですわ~!」
「お笑い芸人は体を張るのも大事だからな。」
「わたくし、やっぱり諦めますの。」
「お後がよろしいようで。」