204章 ゆっくり茶番劇
秀一はチェリーの元を訪ねた。
「あら、神主さんいらっしゃい。」
「何をやっているんだ?」
「商標登録の申請書を書いてるのよ!」
「商標登録?」
「そうなの!『まったり茶番劇』って言う単語を商標登録しようと思ってるの。」
「まったり茶番劇?」
「『まったりボイス』って言う音声ソフトを使って『西方プロジェクト』って言うゲームのキャラにアフレコさせて寸劇をやらせるのが『まったり茶番劇』って言うジャンルなのよ。特にこの『西方プロジェクト』の『レーム』と『マリザ』って言うキャラを使って作るのが主流になってるわ。」
「西方プロジェクトなら『ニヤニヤ動画』というサイトで見た事がある。『紅深すず』というキャラが可愛いゲームだな。というかそのゲームに関する商標登録を勝手にしていいのかよ。」
「西方プロジェクトの生みの親であるレズン氏は西方キャラの二次利用を許可してるし、そもそもまったりボイス自体は、西方プロジェクトとは直接は無関係なのよ。だから問題ないわ!」
「今思い出したがニヤ動で『まったり解説』とか『まったり実況』とかを少し見た事があったが、そのまったりボイスを使った動画も西方の二次創作からの派生じゃないか?」
「いいえ!西方プロジェクトとは直接は関係ないわ!だから私が商標登録をして儲けるの!『まったり茶番劇』の使用料は年間10万円よ~!まったり茶番劇を使用している動画は沢山あるから1年で一財産築けるわ!他人が考えたジャンルで泡銭を荒稼ぎ!これが私のビジネススキームなのよ!」
「アポ―!!!他人のふんどしで相撲を取るような真似をするな!!!」
秀一はチェリーの顔を引っ掻き回し、顔面にモンスターボールを激突させ、さらに顔面を蹴飛ばし、顔面から岩に激突させた。
「きゃあああ!!!私の美貌が壊されたあああ!!!」
「だいたい、そんな事をしたら西方の生みの親のレズン氏も黙っていないだろう。ゆっくり系動画の聖地のニヤニヤ動画だって何らかの対抗措置意を講じるはずだ。」
「そうかしら?」
「ニヤニヤ動画は『無毛銭』も商標登録し、無償解放する事で他者が商標登録して利益を得ようとする企みを事前に阻止している。もしまったり茶番劇というワードが商標登録されれば、ニヤニヤ動画は必ず動く。無効審判を訴え、さらに他の『まったり〇〇』と言うワードも片っ端から登録して無償解放するはずだ。」
「そうなの!?じゃあ分かったわ!」
「そうか!分かってくれたか!」
「ええ!無効審判の期限は5年以内だから、6年後になってから商標登録の使用料を請求する事にするわ!」
「ふざけんなあああああああああ!!!!」
秀一のカミナリがチェリーを襲うのであった。