194章 ぷかぷか八ム八ム
ジェシーは秀一の元を訪ねた。
「何ご覧になっているんですか?」
「お前にお勧めされたモル力ーを見ているんだよ。」
「どうです?面白かったでしょう?」
「うん。作者がモル〇―をちゃんと見たから僕もちゃんとモル力ーを見る事にした訳だが。やっぱり見ないでイメージだけで語るのは駄目だな。」
「モル力ー達可愛くありません?」
「可愛いな。四肢がタイヤになっているから『日本人に受け付けなそうな日本人離れした発想だなぁ』と思っていたが、このアニメが日本人にちゃんと受けた理由が分かったぞ。あれはタイヤな訳ではなくタイヤのようなあんよなんだな。ちょこちょこ歩き回る姿はかわいかった。やっぱりちゃんと日本人受けを理解していらっしゃる。四肢が車輪にされた動物だったら日本人は『可哀想』とか『気持ち悪い』って感覚が先に来ると思うんだよ。手足が車輪とか痛々しい。だからモル力ーがタイヤ型の足だったのは正直安堵した。」
「ですよねー!」
「ていうかモル力ーは台詞が無いんだな。『人間は愚か』って言うのはモル力ーの台詞だとずっと思っていた。でもそれはただのネットネタだった。」
「序盤にマナー悪い人間や強盗が立て続けに出てきただけで別に人間の愚かさがテーマというわけじゃないですからね!」
「ゾンビとか鮫型ロボットとかタイムマシンとか痛車のヒーロー化とか結構SFやファンタジーみたいなノリがあるのも面白いよな。」
「はい!」
「タイムマシンの回でモルモットが進化したのがモル力ーだっていう事実が判明したのも驚きだった。きかんしゃ卜―マスみたいな人工物に人格(モル格)が宿っているのかと思ったら人工物ではなく完全に動物の扱いったんだな。」
「考察が捗りますよねー!」
「僕もモル力ーグッズが欲しくなったぞ!」
「ありますよ!モル力ーグッズ!はい!」
「おお!!ハムスターの足がタイヤになっていって押すとプイプイ音がなる!これぞモル…じゃなくてこりゃあ『ぷかぷか八ム八ム』だろうがい!!!!」
秀一はジェシーの顔を引っ掻き回して蹴り飛ばした。
「ああん!ありがとうございます!」
「『ぷかぷか八ム八ム』は100円ガチャの全く別の商品だろ!」
「失礼しました。これがモル力ーグッズです!」
「おお!額に、窓が付いていて身体はネズミ…!これぞモル力ー!じゃなくてこれは『八ムかぁ??』だろ!!!これはゲーセンの商品!!!」
秀一はジェシーを電撃出痺れさせた。
「あああん!ありがとうございます!」
「全く…。」
「実はちゃんとしたモル力ーグッズがあるんですよ!」
「おお!それを早く出してくれよ!」
「はい!」
「おお!この猫カーかわいいな!!ってこれは『ア二マル力― マスコッ卜』だろ!!!これもガチャの別商品!!!」
秀一はジェシーの顔をトイレに突っ込んだ。
「くっさぁいん!!ありがとうございます!!!」
「パチモンには注意しよう。」
「鬼退治!」
「気をつけないと逮捕されちゃうよ!」