176章 ド汚物―ず
秀一はチェリーの元を訪ねた。
「何を読んでいるんだ?」
「これ?『電通―ず』よ!『100日後に死ぬ鰐ガメ』と同じ作者が描いた漫画よ!」
「『100日後に死ぬ鰐ガメ』なら知っているぞ。あの絵柄可愛いよな。」
「そうかしら?」
「しかし『電通―ず』のイラストは『100鰐ガメ』とは似ても似つかないな。100鰐ガメは好きだが、電通―ずのイラストは何か気持ち悪くて生理的に受け付けない。」
「私はステマの100鰐ガメは嫌いだけれど電通―ずの方が好きよ。ステマ100鰐ガメの唯一の功績は電通―ずを知れた事よ。」
「そうか?電通―ずというより『ド汚物―ず』と言った方がふさわしい絵柄だな。100鰐ガメがこのキャラデザだったらあそこまで流行らなかっただろう。」
「それは確かにそうかもしれないわね。『電通―ず』→『何かを掴んでいないとどこかに飛んで行っちゃうアシカ』→『100日後に死ぬ鰐ガメ』の順に連載して段々可愛い絵柄になってるわね。」
「やっぱり作者もド汚物―ずの絵柄が気持ち悪くて人気出ないのを理解しているんだな。」
「でもストーリーは濃いわよ。『失敗しない人間は成功もしない』とか『他人に支配されて夢を叶えてもきっと辛いだけだよ』とか!」
「絵柄が100鰐ガメのような可愛らしいキャラデザだったら読んだかもしれないが、キャラデザが気持ち悪すぎて読む気にならない。あの目、あの曲がった鼻、あの顎、どこをとっても特徴的すぎて気持ちが悪い。それより断然100鰐ガメの方が面白い。」
「100鰐ガメなんてステマでしょう?」
「そもそも100鰐ガメはステマだとは思わない。100鰐ガメがステマだというのは陰謀論だ!」
「私は逆に電通―ずは好きだけれど100鰐ガメは嫌いだわ。ステマの臭いがプンプンするわ!電通―ずの卜二―のソフビも買っちゃったわ!」
「こんな気持ちの悪い人形を買うなああああ!!!」
秀一はチェリーの顔を引っ掻き回して蹴り飛ばした。
「ああん私の美貌が!!!」
「こんな気持ちの悪いソフビを作るくらいなら鰐ガメくんのソフビを作ればよかったのに。スーパーイカのソフビでも良いぞ。」