15章 裏技
秀一はローザの元を訪ねた。
「いらっしゃい神主さん!」
「おお、今ちょうど料理している所か。」
「そうよ。これから玉ねぎを切る所よ。」
ローザはベロを出しながら玉ねぎを切りはじめた。
「なんて顔しているんだ!」
秀一はローザの顔をハリセンで叩いた。
「きゃ~ん!こういう裏技よ~。こうすると涙が出にくいのよ。」
「アイドルがするような顔か!」
「むしろ結構可愛いでしょ?」
「どこがだ!」
秀一はローサの顔を満遍なく引っ掻き回した!
バリバリバリバリバリバリバリバリ!!!
「アイドルは顔が命なのよ~!」
「他の方法が無いのか」
「目にサランラップを貼る手もあるわね。」
「それはそれで微妙だな…。」
「割りばしを口で加えて切っても涙が出にくくなるのよ!」
「それも大概だな。しかし、いろいろ知っているな。」
「料理の裏技はよく知ってるわよ!例えばピーマンにペットボトルのキャップを使えば中身が綺麗にくり抜けるわ!ほら!」
「おおお!!」
「他にもあるわ!ジャガイモも真ん中に切り込みを入れてチンすると綺麗に皮がむけるのよ!」
「どれどれ?……本当だ!」
「まだあるわ!ワサビをハッピーターンと一緒に食べると辛くなくなるのよ!」
「それは料理の裏技じゃないだろ!」
秀一はピコピコハンマーでロサの頭を叩いた。
「そうだけれど、知って得する裏技でしょう?他にもみかんをヘタの方から剥いた方が筋がとれやすいのよ。」
「それも料理じゃないな。」
「うう~ぱっと思いつくのはそれくらいだわぁ。」
「その才能を他に活かせたらいいのになあ…。」
秀一は惜しそうに去って行った。