134章 殺亡ウィルス
秀一はロザの元を訪ねた。
「よう!」
「いらっしゃい神主さん。…あら?」
「ん?」
「どうして布マスクなんかしてるの?」
「殺亡ウィルス対策だよ。今は、新型殺亡ウィルスが大ブームで、マスク不足が深刻なんだ。」
「でも神主さんはマスクを確保できたのね。」
「いや。これは、亜保首相が全世帯に2枚ずつ給付してくれたマスクだ。通称『アホノマスク』!」
「たった2枚なの?」
「そうなんだ。家は9人世帯なのに2枚しか貰えなかったんだ。」
「でも私達は外に出かけないから、2枚あれば十分ね!」
「開き直るな!!!」
秀一はロザを抱えて上空1万メートルまで急上昇し、上空1万メートルからウルツァイト窒化ホウ素でできた地面にロザを顔面から叩き落とした。
ドシーン!!!!
「ああん!私の美しすぎる顔に傷がああああ!!傷があああ!お化粧も崩れちゃったわ!!!」
「やれやれだぜ。」
「でもWH〇は、『布マスクを付ける事はいかなる場合も推奨しない』って言ってるんじゃなかったかしら?」
「それは朝昼新聞の虚報だぞ。本当は、『医療従事者が、布マスクを付ける事はいかなる場合も推奨しない』だぞ。布マスクは一般人が付ける分には感染拡大防止に効果がある。自分への感染予防の効果は確かに薄いが、他人に移さないする効果は期待できる。だからマスクを付ける事は無自覚感染者が他人に移す事を防げるから、感染拡大防止には一定の効果があるのだ。しかも、医療従事者がしない布マスクを一般人が率先して使う事で、医療従事者と住み分けられ、医療現場のマスク不足解消にも繋がる。」
「そうだったの。小説を包装してた古新聞で得た情報だったけれど、やっぱり朝昼新聞は評判通り当てにならないわね。」
「名前の通り『アサヒる』新聞だな。虚報に定評がある新聞。自社への批判を歴史修正主義者だと捏造して批判を弾圧して、吉田証言と言う虚報を30余年も認めなかった新聞なだけの事はある。」
「そうね。まさに国難新聞ね。」
「朝昼新聞の虚報のせいで、布マスクをせずに外出するマスク難民も増えた事だろう。そのせいで感染者が増えたとしたら、朝昼新聞はパンデミックの戦犯だ。」
「本当にどうしようもない新聞ね。それはそれとして、一世帯にマスク2枚は少なくない?」
「そこなんだよ!アホノマスクへの批判は『マスクより給付金や補償金を寄こせ』と言う批判と、『一世帯に2枚じゃ少なすぎる』という批判の二つがあったのに前者ばかりを誇張して取り上げたのが日本のマスコミだよ。そのせいでマスク難民の後者の声は届かなくなってしまった。前者ばかりを箇条に取り上げたせいで、政府もアホノマスクの配布枚数を増やすに増やせなくなったに違いない。そのせいで本当にマスクを必要としているマスク難民までマスクが十分に届かなくなった。朝昼新聞だけでなく、日本のマスコミと芸能人は全員パンデミックの共犯だ。」
「テレビに出てる芸能人のような富裕層は既にマスクを確保済みでマスクなんて必要なかったのかもしれないわね。」
「そうなんだよ!芸能人のような富裕層は自分たちの事しか考えずに、マスク難民の悲鳴や苦しみを見て見ぬふりしているから狡猾だ。」
「ホント…日本って住みづらくなっちゃった…。」
「メディアクラシー=未来は暗黒次元!」
「それにしてもそのマスク。少し小さすぎる気が…。」
「マスクなんて鼻の穴と口さえ隠れて居れば十分だよ。下手に朝昼新聞が販売していたような3000円以上もする布マスクを給付されても、それこそ税金の無駄使いだ。」
「それもそうね。」
「それはそうと、外出自粛をひきこもりを正当化する口実にするのは良くないぞ。三密を避ければ外出自体はしていいんだからな。外出自体は悪い事じゃない。三密さえ避ければ。」
「そ、そうね。さ、さんみつ、ね?」
「お前本当に分かっているのか?」
「勿論よ!」
「じゃあ三密とは何か?三つ挙げよ!」
「餡蜜、蜂蜜、壇蜜、でしょ?」
「ちがーーーーーーーーーーーうぅー!!!」
秀一はロザを電撃出痺れさせた。
「ぎゃふん!!!」
「全く…。」
秀一は手洗いうがいを徹底するのであった。