132章 内包たこ焼き
秀一はアキリサの元を訪ねた。
「お帰りなさい。お兄ちゃん。」
「お~ん?またたこ焼きを焼いているのか?」
「そうなの~!新作よ~ん!」
「一見、普通のたこ焼きに見えるが?」
「とにかく食べてみてぇ~ん!」
「ソースと青のりとカツヲ節を…と。」
「これは何もかけずにそのまま食べられるたこ焼きよ!」
「ん~ん…。じゃあ騙されたと思ってこのまま食べてみるか。」
パク!
「ん?!こ、これは!?」
「全ての具を中に入れて焼いたのよ。たこもネギも紅ショウガもカツオ節も青のりもソースも全部たこ焼きに入れたのよ!名付けて、『たこ焼きの宝石箱』よぉん!」
「なんだその非国麿みたいなネーミングセンスは!」
秀一は、ナックルダスターを装着した拳で、アキリサの顔面を何度も何度もめり込むまで殴りつけた。
「あああ!アキリサの美しすぎる顔があ!!!美しすぎる長い赤髪を引き立てる美顔がああ!」
「全く、せっかく美味しいのにネーミングセンスのせいで台無しだ。」
「じゃあ『たこ焼きの満員電車』なんてどう?」
「さっきと大して変わらんだろうがあああ!!!」
秀一は火山を噴火させ、溶岩と火山雷をアキリサの顔面に直撃させた。
「きゃあああああああ!!アキリサのか~お~が~!!!!」
「そうだな。全ての具を内包しているから『内包たこ焼き』でどうだろうか?」
秀一は無難なネーミングを付けるのだった。