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１１５章　雰囲気

　秀一はアキリサの元を訪ねた。

「お帰りなさい。お兄ちゃん」

「メロンパンを見つめて何をやっているんだ？」

「ずっと考えていたの。」

「何をだ？」

「たこ焼きはタコが入っているのにどうしてメロンパンにはメロンが入っていないのかしらって。」

「それを言うならたい焼きだって鯛は入っていないだろ。」

「そう！どうして鯛が入っていないのにたい焼きって言うのかしら？」

「それにメロンソーダだってメロンの果汁は１％も入っていないぞ。」

「そうなのよね～！ねえ、どうして？ねぇ！どうしてメロンが入っていないのにメロンソーダやメロンパンって言うの？どうして？」

「それはだな…。雰囲気だからだよ。」

「フインキ？」

「雰囲気！バーベキュー味もバーベキューの雰囲気を味わってほしいという意味で名付けられている。そういう雰囲気って言うのは大事だ。」

「よく分からないわ！」

「そういう人にはコレ！メロンクリームパン！これは本当にメロンの果肉が使われているぞ。」

「はむ！おいしぃ！本当にメロンの味がするぅ～！！」

「だろ！」

「次は本当にメロンの果汁が入ったメロンソーダを飲んでみたいわ！」

「任せとけ！」

　秀一はメロンをジューサーにかけ、メロンジュースを作り、それを炭酸水と混ぜた。

「飲んでみろ！」

「ごくり！う～ん！これだったら普通のメロンソーダの方が美味しいわぁ。」

「贅沢を言うな！！！」

　秀一はアキリサの顔を引っ掻き回し、顔面にメロンを投げつけた。メロンはアキリサの顔面にめり込んだ。そして、秀一はアキリサを投げ飛ばし顔面から岩に激突させた。

「ああん！！アキリサの自慢の美貌が台無しだわぁん！」

「それよりも謎なのはブルーハワイの方だ。」

　食べ物の命名の謎は奥が深いのだ。