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ひきこもり娘たちの更生員4  作者: 日本のスターリン
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109章 ユア・ストーリー

 8人のひきこもり美女たちは一つの部屋に集まり、競い合うように自慢の長くて真っ赤な髪の毛の手入れをしている。

 秀一はそれをただ幸せそうに眺めていた。しかし、それを邪魔する邪悪な気配が迫っていた。秀一はいち早くその気配に気が付く。


「何者だ!」

「漏れはひきこもりを妬む人々の怨念によって生まれた悪霊。も前らを生け贄にし、天才魔導士が作った最凶の恐怖の魔人を復活させるために生まれたのだ!」


 そう言うと悪霊は強大な霊気を放ち攻撃を開始した。秀一は自分の身を守るために結界をはった。あまりにも強い霊気のために自分を守るので精一杯なのだ。

 悪霊の切り裂く攻撃で、8人の美女たちの美しすぎる顔は満遍なく切り裂かれ、傷だらけになった。


「いやあ!!!私のキュートな顔が台無しだわああ!!」

「あ~ん!私のプリティな顔に傷がああ!!傷がああああ!!!」

「も~う!傷だらけになっちゃったぁ~!」

「長くて美しすぎる赤髪に相応しい美顔がああああ!!!」


 さらに悪霊はダイヤよりも固い8つの禁呪の魔球を美女たちの顔面に投げつけた!美女たちの顔面に魔球が激しくめり込み、派手な痕が残った。


「いったぁ…。」

「私をこんな姿にするなんて~!ぜ~ったいに許してあげないんだから!」

「長くて美しすぎる赤髪を引き立てる美顔があああ!!!!」

「You ruined my beautiful face!」


 さらに悪霊は、美女たちを吹き飛ばした。美女たちは、その禁呪の魔球よりもさらに固い禁忌の壁にロケットのように顔面から激突した。美女たちは突き刺さる様に禁忌の壁に顔面からめり込んでいる。そして美女たちは顔面を擦りつけながらずり落ちた。


「こぉんのぉ美貌を壊した罪は地球より重いわよ~!!!」

「この美貌を破壊した罪で逮捕しちゃうわよ~!!!」

「酷いわ!酷いわ!顔に!」

「Perfection has been ruine!!!」


 しかし、悪霊は美女たちの悲鳴を黙殺し、禁忌の壁よりもさらに固い凌駕の魔球を美女たちの顔面に投げつけた。凌駕の魔球の魔球は美女たちの顔面で激しくもう回転し、火花を散らした。美女たちの顔面は激しく凹み、派手な痣ができた。


「ゴオオオオオオオオオ!!!」


 美女たちは燃え上がる様に大激怒した。美女たちの瞳は怒りで燃え上がっていた。まるで巨人の星にでも出てきそうな眼である。その姿に秀一は驚く。


「ひきこもり娘たちが燃えている…。」

「でしょ?」


 美女たちは烈火のように激しい怒りを露わにしている。しかし、秀一が驚いたのはそうじゃない。


「そうじゃなくて髪!髪!」

「え?あら?!」


 さっきの火花が美女たちの長い赤髪の毛先に引火し、激しく燃え盛っていたのだ。美女たちは必死に走り回った。


「あづあづあづあづあづあづあづあづあづあづあづあづ!!!」

「あづい!あづい!あづい!あづいあづいあづい!!!!」


 美女たちの燃えるように真っ赤な髪の毛は真っ赤な炎に包まれ本当に燃え上がっていた。その悪霊はあざ笑う。


「これが本当の灼眼炎髪だな!」


 美女たちは火の玉のように髪の毛を燃やして走り回ったが、髪の毛の炎は一向に消える気配がない。それどころか、どんどん激しく燃え広がっていた。


「わ~た~し~の~髪が~~~~!!!」

「あ~た~し~の~か~み~!!!!」

「燃えてく燃えてく!私の努力の結晶の赤い美髪が燃えて行っちゃうううう!!!」


 美女たちは必死に走り回り続けた。しかし、赤い髪の毛の炎は全く消えなかった。その後美女たちは暫く走り付けた。走って走って走り続けた。

 するとようやく美女たちの髪の毛の炎は消えた。美女たちの髪の毛が燃え尽きてしまったのだ!美女たちの100m以上あった美しすぎる赤髪は真っ黒に炎滅してしまった。


「じゃじゃすじゃ~!あぁー!あたしの髪がぁ…キューティクルが…」

「My gorgeous hair was my one true love!!!」

「I'd been having a lot of crowning glory. My resplendent hair!!!」

「私達の命より大切な髪の毛が…」

「苦労して伸ばした赤髪が…私たちのの血と汗と涙の結晶がぁ…」

「自慢のサラサラヘアーが…」

「自慢のつやつやヘアーが…」

「長い長い赤髪を朝な夕なにお手入れするのが私たちの生きがいだったのにぃ…」


 美女たちはショックで泣き崩れながら卒倒してしまった。悪霊はほくそ笑んだ。


「はっはっは!ひきこもりどもは逝って良し!香具師らのこの怒りと悲しみの感情のエネルギーを礎に恐怖のウィルス魔人が復活するのだ!」

「させるか!」


 秀一は猫の姿に変化して1%近くの本気を出し、悪霊を瞬殺した。


「ふぅ…やれやれだぜ…。」


 しかし、それでは終わらなかった。悪霊の残留思念が最後の力を振り絞って、魔人を復活させる扉を開いてしまったのだ。


「しまった!」


 秀一が後悔した時にはもう遅かった。ついに魔人が復活してしまった。


「ぶう~~~~!!!」

「これが天才魔導士が作り出した恐怖の魔人か!」

「ボクはウィルス魔人、ビールス!」


 魔人が自己紹介すると秀一と魔人以外の時間が突如止まった。気絶している美女達の身体が突如文章化されて消滅していく…。そして、辺り一面が暗転した。魔人は不敵に笑いだし、衝撃の事実を口にした。


「ここは小説の世界!お前も髪の毛焼かれた美女たちも全て作り物なのだ!お前は記憶は全てアーティストに作られたまがい物の記憶なのだ!」

「なんだと!?」

「ボクは小説嫌いから産まれた思念の集合体!それがボクの正体だ!」

「小説嫌い?」

「大人になれよ!いつまでも小説なんか読んでいないで!小説なんて漫画の下位互換じゃないか!小説なんか、漫画を読むのは気恥ずかしいが、空想の世界から抜け出せないインテリ気取りのアダルトチルドレンが未練たらしく空想にしがみついて読むはけ口に過ぎない!」

「そうか。お前も小説が嫌いなんだな。」

「そうだ!小説なんか大嫌いだ!」

「小説が嫌いって、じゃあお前は何なんだよ!ウィルスーーー!!!」

「え?」

「お前だって小説が作り出した架空の存在じゃないか!」

「うう…!」

「お前は存在そのものが自己矛盾しているんだよ!」

「ぐぐぐぐぐ…!

 ぎええええええええええええ!!!」


 自己矛盾に耐え切れなくなった魔人は自分の生みの親である思念に押しつぶされ自滅してしまった。


「僕は小説の世界に戻らせてもらうぞ…。」


 止まった時間は巻き戻され、真っ暗闇に再び世界観が描かれた。文章化された美女たちの身体は復活し、美女たちの美しすぎる赤髪は綺麗に元に戻っていた。

 気を失っていた美女たちは一斉に目を覚ました。


「あら?」

「おはよう、諸君。」

「なんだか私…怖い夢を見たみたい…。」

「あたしも…。」

「わたくしも…。」

「アキリサも…。」

「私も!」

「私も!」

「私も!」

「Me too!」


 秀一は微笑んだ。


「皆揃って緊急同調するなよ!髪の毛が燃える夢を見るなんて災難だったな!」

「どうしてそれを?私達まだ夢の内容は言っていないのに!」

「ほはは!さぁ何でだろうね!」


 小説の中であろうとその中でキャラクターたちは生きている。キャラクターたちに命を吹き込むのがアーティストだ!キャラクターたちにとっては小説の中は現実そのものなのだ!

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