10章 吹雪の遭難
秀一とひきこもり美女たちは雪山に登山に向かった。寺の庭の中で一番高い山に向かったのである。
「ハァハァ。疲れたわ。」
「あたしも!」
「わたくしも!」
「私も!」
「普段滅多に外に出ずに引きこもっているから身体が鈍っているな。これぐらいでへこたれるな。」
「気分でも変えて歌でも歌いましょう!」
「そうね。『さんぽ』なんてどう?」
「歌は駄目―!大人の事情で歌は駄目なんだ。」
「台詞に出さなければ大丈夫でしょ。」
「じゃあナレーションベースで。」
そんなこんなで美女たちは歌を歌いながら歩いた。美女たちが楽しそうに歩いていると山の天気が急変した。猛吹雪になった。
「おかしいな。天気予報では降水確率0%で快晴のはずなのに。」
「山の天気は変わりやすいって言うものね。」
秀一と美女たちは猛吹雪の中あるき続けた。しかし、吹雪はどんどん強くなっていく。
「寒いわ。歩き疲れたわ。」
「寒疲。」
「寒い寒い寒い。凍えそうだわ。」
「お!丁度いいところに洞窟がある!ここで一休みしよう。」
秀一たちは洞窟の中に入った。洞窟の中から燃やせそうなものを集めたき火をした。しかし、吹雪はさらに強くなっていく。さらに、たき火は直ぐに燃え尽きた。燃やせそうなものが亡くなってしまったのだ。
「寒いわ…凍え死にそうだわ…。」
「あなたの髪の毛を燃やせばいいのよ!」
「冗談じゃないわ!あなたの髪を燃やしなさいよ!」
「そうよ!」
「あなたの髪の毛でも良いのよ!よく燃えそうじゃない!」
「私以外の髪の毛なら誰でも良いわ。燃やしましょう。」
「そうだわ!私以外全員の髪の毛を燃やせばいいのよ!」
「いいえ!わたくし以外全員の髪を燃やしましょう!」
「あたし以外の全員の髪を焼けばいいのよ!」
「何を言ってるのよ!アキリサ以外の全員の髪を燃やしましょう!」
「いい加減にしろ!!!!」
秀一は全員の顔をハリセンで叩いた。
「あ~ん!!」
美女たちは大人しくなった。
(この異常な荒れ具合…妖怪の仕業か!)
美女たちはシーンとしていた。あまりのもしずかすぎた。秀一は異変に気が付く。
「皆寝てしまっている!」
秀一は慌てて美女たちの顔を往復ビンタした。しかし美女たちは目覚めない。
「起きろ~!!!寝たら死ぬぞ~!!!」
秀一は美女たちを往復ビンタし続けた。しかし、美女たちは全く起きない。秀一は美女たち全員の顔に岩をぶつけた。しかし美女たちは起きない。なので、秀一は美女たちの顔に岩をぶつけ続けた。
しかし、美女たちは全く起きない。秀一は1000tハンマーで美女たちの顔を叩き続けた。しかしやっぱり起きない。秀一はさらに叩き続ける。それでも起きないので秀一は美女たちを吹っ飛ばし洞窟の岸壁に激突させた。これを起きるまで何度も繰り返した。しかし、美女たちは一向に目を覚ます気配が無い。
「そうだ!全員が気絶しているなら妖怪の姿に戻れるぞ!」
秀一は妖怪の姿に戻り、吹雪を起こしている妖怪を退治しにいった。
「出てこい!雪女!お前の仕業だという事は分かっているぞ!」
(しかし、雪女まで呼び出してしまうとは…赤い髪が不幸を呼び寄せるというのは迷信にすぎないが……)
「お呼びかしら?」
そこに雪女が現れた。なんと!その雪女も身長より長い赤髪を持っていた。
「雪を止ませないとこうだぞ!!!」
「きゃああああああああ!!!」
ビリビリビリッ!
秀一は雪女に電撃を喰らわせた。雪女は泣きだしてしまった。
しくしくしく…。
「雪を止ませてくれ。ここにいる人間の女の子たちもお前と同じ赤い髪を持つ女たちだ。同じ赤い髪を持つ君ならこの娘たちの苦しみも分かるだろう?彼女たちを助けたいんだ!」
「分かったわ。雪を止ませるわ。」
「分かってくれてありがとう。僕も無駄な殺生はしたくない。」
赤髪の雪女は去って行き、雪は止んだ。すると辺りも暖かくなっていき、美女たちは目を覚ました。
「雪が止んだのね!助かったわ!」
「良きえかえったわ!」
「もう駄目かと思ったわ!」
美女たちは喜んだ。
「ところでなんで私たちの顔がこんなにはれ上がっているの?」
美女たちは助かったが、その顔は2倍以上に膨れ上がっていてしまっていた。