表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢で逢えたら  作者: ピノキオ
4/7

花火大会

あの花火の日から、何をしても美鈴のことしか考えれなかった。


この頃から、いつも自分のことになるとネガティブで自分のこと嫌いだった僕が


美鈴に笑ってもらえるように、誉められるようにって何かを変えようってそんなことばっかり考えるようになっていた


僕『来週の土曜日の花火大会に行こう(*^^*)


午前は練習だから、終わったら着替えてすぐに行くよヽ(・∀・)ノ


人多いからはぐれないようにしなきゃね( 〃▽〃)』


美鈴『二人で遊ぶなんて緊張しちゃいますね(*''*)


絶対はぐれないようにきちんと後ろついていきますから、安心してくださいね(/▽\)』


お互い忙しい中でなんとか予定を合わせることができて、僕は舞い上がっていた。


花火が見えるところ、どういう風に告白するか、もう何万回もシュミレーションをして、帰り道に美鈴の地元について二人になれたときにきちんと伝えることに決めた。


日にちが近づくにつれて、伝えてダメだったら今の関係も壊れてしまうと不安な感情でいっぱいになっていった。


でも、友達のまんまで本当にいいならこんなに悩んだりしないと自分に言い聞かせて、不安と覚悟を繰り返していた。





花火大会当日、


待ち合わせの駅に1時間も前につく僕


(緊張し過ぎて速く来すぎてしまった…)



そんな事を思いながらも仕方ないとじっと待つことに


今日のために買った浴衣を着て、髪もきちんと決めて、準備は万端に


約束の30分前になると美鈴が浴衣姿で改札から出てきた



美鈴「あっ!すみません待たせちゃいましたか?」


走って駆け寄る美鈴に


僕「一本前で来たばかりだから、全然待ってないよ!!


でも遅刻したくないから速く来すぎちゃったね」




(本当は30分前から居たんだけど…汗)


なんて言えずに、

少しぎこちない笑顔で伝える僕。

それに対して美鈴も笑顔で


美鈴「私もそう思って速く来たら、先輩もう来てくれてたからびっくりしましたよ」



こうして僕たちは約束より30分も早く合流した。





初めてみる浴衣姿の美鈴に思わず見とれていると


美鈴「先輩の浴衣姿似合っててかっこいいですね!!


いつもジャージかユニフォームでしか私達会わないから新鮮です!」


美鈴に誉められて僕は心の中でガッツポーズをして


僕「美鈴ちゃんの浴衣姿はかわいすぎて、緊張しちゃうね」


と返して二人で照れ笑い。

花火までの時間二人で出店を回ることに


(うわー。予想よりも人多いな絶対はぐれないようにしなきゃ)


と思うと後では美鈴が僕の腕の後袖を掴んでいた


僕「そんなじゃはぐれちゃうよ!はい」



そう言って手を差し出したら美鈴は僕の手を優しく繋いでくれた


もうドキドキしながら、

射的したり焼きそば食べたり綿菓子を食べたり、

そんなことをしてるとあっという間に花火の時間に


美鈴「うわー素敵ですね!!こんなに近くで打ち上げ花火見たの初めてかもしれません!!」


僕「こんだけの距離で見ると迫力が全然違うよね!!本当に一緒に来れてよかった!」


美鈴は花火に夢中だったけれど、僕はそんな美鈴にドキドキして美鈴と一緒に花火をみれてる時間が幸せで子供っぽくはしゃぐ美鈴に見惚れていた。


全ての演目が終わって、いつもよりもテンション高めの美鈴との帰り道


美鈴「今日は誘ってくれてありがとうございます、本当に楽しかったです!


やっぱ打ち上げ花火って迫力が全然違くて、大っきくて綺麗で素敵でした!!」


僕「美鈴ちゃん興奮しすぎだよー!

でもそんなに喜んでくれるなら誘ってよかったよ


来年もまた二人で来れたらいいね!」


美鈴「そうですね!来年もまた一緒に花火大会きて、手持ち花火もして!来年は夏らしい事もっともっとたくさんしましょうね!!」


僕「約束だね!今年の夏はまだ大会も受験も忙しくなっちゃうから、来年たくさん行こうね!!


でも進路決まったら秋とか冬もたくさん遊び行こうよ」


美鈴「先輩は受験勉強とか大丈夫なんですか?」


心配そうに聞く美鈴に


僕「全然大丈夫!笑


俺は専門学校だから大丈夫なんだ! 専門の先生にも顔覚えてもらってて、すごく気に入ってもらえてて意欲あるし是非ともうちの学校来てって言われてて、もう少ししたら願書受付始まるから


願書出したら面接してそこで合否の決定だよ

先生に言われてる感じだとほぼ落ちないかな!


だから今日みたいにまた遊ぼうね」


美鈴「さすが先輩!もう先生とそんなに打ち解けててすごいです!!


でも進路きちんと決まってからまた遊んでください」


美鈴のもっとも過ぎる言葉に何も返すことができなかった。


美鈴「先輩と遊びたいので早く進路決めて誘ってくださいね!」


僕「もう決まった瞬間報告して、遊び誘います!!」


美鈴「これで落ちたりしたら、もう遊んであげません!!」


僕「美鈴ちゃん意地悪過ぎー」


二人で笑い合いながらあっという間に美鈴の地元の駅に


美鈴の地元に着いた時やっと周りの人も少なくなり落ち着いた雰囲気に


美鈴「駅からうちまで少し遠いんですけど時間大丈夫ですか??」


時間を確認してみると帰宅時間を考えてもまだ少し余裕があった


僕「少しだけ余裕あるし大丈夫だよ!!

ここまできたんだしきちんと家まで送るよ!

途中どうしても話したいことあるから、少しだけ寄り道してもいいかな?」


美鈴「じゃあ途中公園あるので、そこで少しだけ…」


美鈴は少し申し訳なさそうにそういった



少し歩いてる公園が見えてきて、そこのベンチ腰をかけた


覚悟決めて語り始めは僕


僕「あのさ、今日は本当に楽しかったよ!俺さ美鈴ちゃんに初めて会えたときから美鈴ちゃんの事を…」


緊張でもう頭がいっぱいだった


僕「俺は美鈴ちゃん大好きです、だからその…俺と付き合ってください」


一生懸命振り絞った言葉に、美鈴はすごくびっくりした顔をして、少し間が空いてから



美鈴「先輩の気持ち嬉しいです!本当にありがとうございます!!


私も先輩のこと大好きですよ…だからそのごめんなさい」


えっ?よく意味がわからなかった

涙を流しながら美鈴は続けた


美鈴「私先輩と居ると楽しいですし素で居られて本当に幸せですし、良いこととか嬉しいことは先輩に報告したくなります。先輩と出会ってから本当に前向きになれて頑張ろうって思えます!


だから先輩と付き合いたくないんです…」


そういうと美鈴は走って帰ってしまった



僕は現実が受け止めれないまま、しばらくその場座り込んだ。


家に帰る電車でもよく状況が理解できないまま、家について考えてるうちに寝てしまった。


そして次の日起きると

一通のメールが


美鈴『昨日はありがとうございます、あんな帰り方してしまってごめんなさい、よかったら電話しませんか?」


僕はすぐに電話をかけた


僕「もしもし」


美鈴「昨日はごめんなさい、 私本当に嬉しかったです!でも付き合っちゃうと私はわがままなので迷惑かけちゃうので、私には毎日会えないと辛いんです、ごめんなさい」


そう言うと美鈴は電話を切ってしまった

あまりにも一方通行の美鈴に僕はなんにも出来なかった。


こうして

僕は失恋したのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ