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絶体絶命

 

「ぐっ……」

 と、サルさんの唸り声が近くから聞こえた。

 痛む目をすがめて確認すると、床でうめくサルさんをガスマスクをつけた機動隊員が足でひっくり返していた。顔を確認しているようだ。

「……こいつも『朝島始』じゃないな」

 ……どうやら、俺を探しているらしい。その手には黒光りする銃。

 心臓がぎゅうっと引き絞られるように痛んだ。バジリスクは危険生物に他ならない。今見つかれば、研究所送りか最悪殺されるだろうか。――嫌だ。死にたくない……!

 何か、なにか切り抜ける方法はないか?!

 できることなら、俺がバジリスクではなく、ただの普通のアニマ持ちに認識される方法は……! 

 足音が近づいてきた。

 全身がこわばり、痛みも辛さも遠ざかる。身体は熱いのに、冷や汗がこめかみを伝う。

 気が遠くなる……。

 頭は暴走し、ランダムで記憶を映し出した。

 『石の種類を変え石化させる能力をもつバジリスク』

 記憶を消された教授の、謎のメモ『アニマのアニマ』

 そう、『瞳の中のアニマ』

 脳裏のバジリスクが、切り裂くような鳴き声を上げた。

(このまま諦めたくない――!)

 目の裏が熱くなる。破れかぶれの一手だ。

(くそッ、覚悟を決めろ。石化、させてやる――!)

 ――腕を掴まれ、引きづり出される。

 視界にガスマスク姿の機動隊員が映った。

 俺の顔を見て、プラスチックのマスクの向こう機動隊員の驚く表情が見える。その口から緊張を孕んだ鋭い声が上がった。

「『朝島始』、発見!」

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