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第八話:侵入

遂に街を脅かす魔術師の掃討作戦が開始する。

虚也は依頼達成の為、また内に渦巻く何かから逃れたいが為、作戦に集中するのだった。

役所内へ入ると、周囲は更に暗くなった。


美華の先導に従い奥へ進むと、ありきたりの「関係者以外立ち入り禁止」と文字のはいった扉に着く。


それを突破するのは、虚也の仕事だった。


虚也はすっと目を閉じ、集中する。


(扉の素材は鋼鉄、そこに不純物を幾何か混ぜて強度を増している、といったところか。

確かに全力でぶち抜いたりするには一苦労しそうだな。)


だが、と虚也は自身の能力『物質虚化(きょか)』を発動する。


指定した物質を虚無に消し去るこの能力により、虚也が目を開いた時には既に扉は無く、深い闇を湛えた地下への階段がその口を開けていた。


「…完了。」


「…では、行こうか。」


天仙の声にもまた、殺気が満ちていた。


その時、


「――そこまでだよ、侵入者諸君…!」


「!!」


ヒュッという風切り音のした刹那、人の顔程の赤紫色の魔弾が数発、4人の来た方向から襲い掛かってきた。


魔弾は正確に目標を捉え、一直線に進み爆発する。


「全く君達というものは。

住人を追い出してから我々を叩こうだなんて、バレないとでも思ってたのかい?


舐めるのも大概にしたまえよ。」


暗闇から魔術師が現れ、その高慢さの滲む顔を呆れさせる。


今の爆発音で下にいる者達も侵入に気付き、やってくる。


世界裏事会の刺客とはいえ、負傷した四人如きで我々に勝つなど、不可能だ。



そう、彼は思っていた。

…が、


「……!?」


その予測は、どちらも妄想に過ぎなかった。


「―操界『不当領域』―」


「…静寂の翼膜(サイレント・ヴェール)


龍我と美華がそれぞれ能力を発動していたのだ。


「馬鹿な!!今のは確実当たっていたはず…!」


「本当、龍ちゃんの能力初見の人ってみんな言うわよねぇ~それ。」


「まあ、そういう能力だからな。とはいえ、最低限避ける素振り位は見せろよお前。」


「それはぁ、信頼の証よ♪」


「…(溜め息)」


「貴様ら…ふざけおって!我々を愚弄出来る時間もおわりだ!!!」


魔術師は更に魔力を込め、追撃しようとする。


「…別に、俺達は舐めちゃいないさ。ただ…」


虚也の声がする。が、魔術師は、その気配すら感じることが出来ないまま、


「てめぇらも、こっちを舐めるのは大概にしとけよ…。」



断末魔の声もなく、地に倒れ伏した。




ぴゅうと美華が軽く口笛を鳴らす。


「さっすがうっちゃん、台詞が絶望的に厨二臭い。」


「…ケンカ売ってんのかてめぇ…」


「無駄話は控えなさい、お前達。これは掃討依頼だ、あくまで緊張を絶やすでない。」


「…了解。」


「はーい。」


あっさりとした戦闘を終え、改めて4人は階段へ目を向けた。


「…静寂の間(サイレント・ルーム)


美華の能力は<音を操る程度の能力>。

音の振幅や振動数を操作し意のままの音を作り出すことができるが、彼女自身暴力的なことは三人に任せきりなので、静寂以外の能力を使うことは稀だった。



地下に降りると、闇が更に深くなった感覚がする。正に一寸先も見えなかった。


(…どうしますか、天仙さん。)


(…美華は能力を維持。儂が先導する。着いてきなさい。)


天仙の囁きに各々が小声で返事したのを確認すると、天仙は意識を研ぎ澄ます。


彼の実力があれば、会合の為に集う者達の僅かな気配を感じることが出来た。


(…行くぞ。)



数刻の後、四人は遂に、今回の依頼の討伐対象達の集まった部屋にたどり着いた。

何だか話数を重ねる毎にコレジャナイ感が増してきている道述龍我です。

夏休み入ってんだから切り替えないとなあ…

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