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4.変身!

「ふおおおおおトウ君、こんないちっちゃいのにちゃんと竜だよ竜なのにたてがみがもふもふうう!

鱗とかすべすべぴかぴかだよおおお!


ナンさん、ミニチュア極楽鳥ですかあなたあああ!

尾羽クジャクっぽいいい、やっぱりさん付けだよね、ナンちゃんだとあれだしナンさんだよねえええ!


サイ君まじもふもふうううううう!!

まさかちっちゃいホワイトタイガーをもふもふできるとは!もふもふできるとは!


ホクちゃんすべすべつるつるぴかぴかああああああ!

巳年生まれのわたしにはたまらんですよ金運アップうううう!


……


……ふう」



ひとしきりもふもふした頃にはすっかり4匹となじんでしまった。

まるでずっと昔からこうして過ごしていたかのような安らぎを感じる…


「あっ、などと和んでいたらもう日がくれそうじゃないの」


石の壁の間から見える空は夕暮れでした。


「本だめかもな…夜露にぬれちゃいそう」


『本?ご本のように貴重なものをお持ちなのですか、母上は?』


「うん?たぶんまあ500冊くらい?他にも色々?』


『それ、こっちに持って来ればいいんじゃないの、母ちゃん?』


「え?いや確かにこっちの方が一応壊れてるけど屋根と壁あるし、持ってきたいけどなにしろあの重さじゃ、とてもすぐには…」


『母上、安心なさってください、私が運んできましょう』


「ふえ!?ふえええええええええ!?」


見ているうちに言い出しっぺのトウ君がぐんぐん大きくなり、2メートルほどもある巨体になってしまった。


「なんじゃこりゃああああああ!!?…あ、言っちゃった」


『普段は小さい方が動きやすいのであの通りですが、自由に変化できるのです』


「変化ですか……」


『もっと大きくもなれますし、もっと小さくもなれます。

今は屋根がありますのでこれ位でいいかと思いました』


「あーうん、いいんじゃないかな、それ位で…」


『母ちゃん、おいらも行くよ!』


言葉もいい終わらないうちにサイくんもぐんぐん大きくなり、ホワイトタイガーそのものになってしまった。

いやでかくね?動物園の虎より一回りでかくね?

あなたもこれ以上大きくなれんの?


『母上には一緒に来ていただいて、場所を教えて頂けますか』


「え?うん、それはもちろん、運んでもらうわけですし…」


『え?母様も行くならホクもいっしょに行くの!

母様といっしょがいいの!』


『ナンもご一緒させて頂きますわ』


ホクちゃんは文字通り大蛇に、ナンさんは巨大極楽鳥と化した。


うん、最初っからこれで出てこられたらさすがに逃げた。

チワワの面影なんてきれいさっぱりありゃしませんよ、この人たちのひとかみで死ぬよね、わたし。


そして『背中にお乗りください』というトウ君の言葉にもしや?とびびりながら言葉に従ったとたん、あろうことかわたしごとトウ君は高い空の上にまで舞い上がったのであった。


「空飛ぶペットきたあああああああああ!!」


『落ちないようにしっかりつかまっていてください、母上』


そしてそんな高所からほっそい赤い糸など探し出せるはずもなく、おそるおそる超低空飛行をお願いしてみると、トウ君はその巨体で器用にくねくねと木々の間を飛んで行って荷物の場所まで運んでくれたのでした。


――なんかわたし、これから何があっても生き残れるんじゃね?これ?



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