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21・城塞リフォーム

煉瓦ができたので次に木炭と塩焼き生石灰を作ることにする。


こちらは穴窯よりも単純で、土に穴を掘って耐火煉瓦と粘土で壁を固定しつつ煙道を作る。

そしてその空間にできるだけ木材を詰めていく。

詰め終わったら藁のむしろもどきと粘土で蓋をして、周りに小屋を作る。


新しい窯なので乾燥まで待たなければいけなかったが、他に色々やっているうちに気が付いたら乾いていた。

なのでいよいよ炊き口に薪をくべて点火。

頃合いを見計らって空気口を残して石蓋で密閉。

ひたすら燃やす。


約三日後、炊き口と煙道口にも蓋。

さらに燃やす。

がんがん燃やす。


そして窯の火を消し、熱が下がるのを待って蓋を取る。

木炭完成。


さらっと完成としてしまったが、中には使い物にならないものもあったので、正確にはちょっと失敗。

でも使えるちゃんとした炭もできたので、まあ良しとする。


そして木炭はこれからいくらでも使う予定が増えそうなので、作れるときにちょこちょこ作っていくことにする。

同時に椿、カバノキ、オーク、ブナ、アカマツを植林していく。

特に椿とカバノキ、オークを中心に。

油と木材のためである。


さて木炭ができたので塩焼き生石灰を作成。

これまでの窯と同じ要領で土中釜を作る。

そして窯の中に石灰岩と木炭を交互に投入、少量の塩を加えて焼成する。

今度もひたすら焼く。

ただただ焼く。


5日後、塩焼き生石灰完成。

後に大量に使うので大事にとっておく。



  *   *   *



ここまで準備して、ようやく城塞に取りかかる。


(あー長かった)


まず城塞2階部分から着工。

焼け焦げた部分を撤去。……の予定だったのだがあまりに作りがちゃちくて(隙間が隙間がなぜここに隙間があああ)結局、木材部分を全て撤去。

まあ4匹が手伝ってくれて一瞬で終わったから良し。


ちなみに撤去して気が付いたのだが、1階石造部分は全てが石造というわけではないようだった。

木材を石で挟んでいる感じである。

なるほど、これは投石器かなんかだったら吹っ飛ぶかもしれないなあと納得。

1階は崩れすぎているし焦げすぎているしでよく分からなかったのだ。


焼けていない部分の石造部分はけっこうしっかりしていそうだったので、このまま使うことにする。

まず柱、梁を設置。

間取りはこれまで変えず、寝室と作業部屋の二部屋のみとする。


間取りが決まったら壁材を釘打ち。

次にオガクズを断熱材として床、壁に詰め込みつつ、床にはフローリング、壁にはべニア板もどきの薄い板をはっていく。

続いて塩焼き生石灰と和紙作りの際に使用したフノリ、葦の繊維から漆喰を作成。

べニア板もどきの上からぬりぬり。

真っ白な壁になった。


(わーいきれいになったよー)


ただ乾くのに時間がかかるのでそのまま放置。

窓は(仮)トイレと同じく木板とつっかえ棒で代用しておく。

後でばっちり作り変えてやるから待っとれおんどりゃあと啖呵をきって次の作業に移行。


室内に暖炉を作ることにする。

何度も言うがこの時はまだミニ氷河期を警戒していたのである。

現状では心もとない。


こちらはきちんとモルタルを使うことにした。

まず消石灰と川砂をよーく混ぜ数日放置、さらに水を加えよーく練る。

石灰モルタルというやつである。


このモルタルと耐火煉瓦を使って寝室に暖炉を作る。

耐火煉瓦で土台を作り、モルタルと煉瓦を交互に積み上げていく。

外側には大きめに煙突を作り、粘土で雨避けの屋根をつけた。

外壁も2階部分は全てこの石灰モルタルで塗ってしまう。


これらを乾燥させている間に1階部分を工事。


といってもこちら側はある程度そのままにして、2階部分のない壁を取っ払い、その周辺を作り変える程度に留めることにする。


まず2階部分のない壁、天井を全て撤去。

大広間の3分の1と台所らしき部屋がなくなったことになる。

扉側の大広間と途中でなくなっている地下階段は残ることになった。


廃材は何かに使えるかもしれないので、城塞裏にストック。

2階と同じ要領で柱、壁、天井、オガクズ断熱材、壁材を取り付ける。

その上から室内は漆喰、外壁は石灰モルタルをぬりぬり。

後に取る付ける予定の窓とトイレドアはスペースを空けて板材で塞いでおくだけにする。


元台所には耐熱煉瓦とモルタルで調理用のかまどを作り、オーブンも設置。

オーブンやかまどの炊き口の扉は後でちゃんと取り付けることにする。

一応こちらが完全に乾燥するのを待って、現在使用中の粘土かまどを撤去。


大広間の壁にもさらにもうひとつ暖炉を作る。


暖炉の後にオーク材でオープンシェルフを作り、それを台所と大広間の間仕切り代わりにする。

台所にキッチンカウンター、椅子を、大広間にダイニングテーブル、椅子、ベンチを作って設置。

ベンチには後に作った綿のクッションを置いた。

元々あった木の棚は撤去して、全部ちゃんと作り直し、大きさもかなり大きめに変更した。

ここでひとます完成。



なんということでしょう。


(なんかものすっっっっごくヨーロッパっぽくなった。

っていうかおしゃれっぽくね?)


今までDIYで自宅は改造しまくっていたが、傾向としてはモダンアジアンだったので新鮮である。

悪くない。ヨーロッパファンタジーっぽくなってきた。

地味にだけど。


この頃には2階が使えるようになっていたのでテントは撤収。

オーク材のベッドで布団ができるまで寝袋を使うことにした。


(あー幸せ。かなり文化的になってきた。

でもまだまだ!

完成までの道のりはまだまだだよ!)



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